||| plus alpha

どこかいたきもする

結婚の話がでたと安心したようなきもするのだ
ここではとても生きるのが難しいから

離れたくないという気持ちも確かにあるのに

遠い国の見ず知らずの年老いた男と結婚する
思い返せば生まれたときから馬糞みたいな人生だったのだ

男に、生まれていたのなら
母はわたしを愛してくれただろう
父だってもっとわたしをみてくれた
兄や妹たちとも…
それに、なにより、私はあの人に恋い焦がれ、こんな苦しい思いをしなかったはずだ

夜も更けふらふらと廊下を歩いていると白龍とあった
彼はわたしをみるなりあからさまに顔をゆがめて立ち止まる
それから結婚おめでとう、とそんなことをいうのだ
あの人に似た顔でだ
私が声を上げて笑うとますます不愉快だという顔つきで彼はこちらをみている

「よかったわね、これで少しはあなたたちもいきやすくなるでしょうね」
言いながらとても悲しくなってきた
私は、別に誰かを恨んでるわけではないはずなのに
誰かを恨んだって仕方ないとわかっているから
白瑛はとてもいい人なのだと知っているというのに

ああ、そうだ、わたしはただ悲しいだけなんだ

「このまま死んでしまえたらいいのにね」
ふと白龍をみれば彼は目を見開いていて、そんな悲しいことはいわないでくれと言った
どう考えてもわたしを好意的には見てないはずなのに、彼はとてもお人好しらしい

しょぼしょぼと座り込むわたしに彼は駆け寄り心配そうに、する、から、
あなたは白雄様にとてもにているのね、といってよりかかった

目が覚めて裸の相手をみて正常心でいたわけではない
なんてことをしたのか、これからどうすれば、などひとしきり考えた後どうでもよくなった
死ぬのだって怖くないのに今更なにを思い悩むのか
最後に自分とはひどくちがう黒髪を撫でてやって部屋を出た

妹が悲しそうに行ってしまうのね、もう気軽に会えなくなるのね、といって泣き出した
幸せになってくださいどうかどうかと泣きじゃくりながらそう言ってた
それをみるとなんだか不安だった気持ちも落ち着いて穏やかになった
彼女の頭をなでてやりながら大丈夫だといい聞かせ笑ってみせる余裕さえでてくる

もしかしたらわたしはそこまで不幸でもないのかもしれない


ねる 


Oct 26, 2014 00:05
browser-back please.

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -