||| plus alpha

呪い解けたから白龍迎えに行ったよ!
なんか色々ひどいよ!白龍だてんしちゃいやだよ!
紅玉かわいいよ!

「一緒に、考えよう?」
血に濡れて今にも死んでしまいそうなのに笑って、言うから

「私も一生懸命考えるよ。貴方が幸せになる方法を」
誰のせいで、そんなに傷ついているかわかっているんだろうか
殺してしまおうとしたのが誰なのか、目の前の男だと、本当にわかっているんだろうか

「俺は」
じわりと視界が歪む

「大丈夫」
ずっと傍にいてくれた
一緒にいてくれた君は

「幸せになれるよ」
君の想いに報えないかもしれない
期待になんて沿えないに決まってる

「だから帰っておいで白龍」
人の不幸を望んで世界を歪めておいて、
それでも伸ばされた優しい手を、握った

「おかえり白龍」
抱きしめた私よりも小さい体に魔法をかける
眠るように彼が意識を手放したのを確認して向き直る

「言いたいことあるなら今は聞いてあげるよ」
誰もが納得して幸せになんてなれるはずがないとわかってる
不満げに私を見つめる赤い瞳に挑戦的に笑う

「話すことがないならないで、杖でも向けて見せなよ。今なら付き合ってあげるから」
ぐっと握りしめた杖を彼に向ける
勝てる、だろうか
わからないけれど引く気はなかった

「お前、さぁ」
あの泣きそうだった彼は一体何を悲しんでいたんだろう
私を抱きしめていた彼は一体何を考えていたんだろうか

知らないし
知る予定もない

「すっげぇ、腹立つんだよなぁ…」
頭を抱えた彼が呟く

「もし、俺がそこにいたなら、」
「お前は白龍じゃないでしょう」
ふと顔をあげた彼の赤い瞳に私が映ってるのを確認する
勝てなくてもいい
最悪、刺し違えてやろうと思っている
それが白龍の為になると、私は信じてる訳だ

「もういいか。殺しても!」
心の内に何の踏ん切りがついたかは知らないが彼はそう声をあげると宙に浮いた
見る見るうちに氷の刃が宙にいくつもできる
白龍の体を覆うように魔法で盾を作り自分の前にも防護壁を張った
瞬間周りに氷の刃が動いた

―…耐えきれる、だろうか

いつまでたってもその衝撃はこずにいつの間にかつむっていた瞳をそっと開いた

「何やってるのよぉ!喧嘩なんてやめてよね!」
目の前にいるのは、紅玉、で

「…何をしているの?」
「こっちの台詞よ!貴方達一体何してるの?白龍ちゃんは倒れてるしジュダルちゃんは物騒だし!」
宙に浮いたままのジュダルもこちらを訝しげに見ている
そっと魔法を解いて防護壁を消した

「…お兄様達には言わないわ。ほら、ジュダルちゃんも降りてきなさいよ」
「なぁ、お前、それ本気で言ってんの?そんな状況に見えてんのかよ?」
「いいから、降りてきなさいよ…お茶しましょう。美味しいお菓子があるから」
ジュダルが苛立ったようにあー、と叫ぶとあのなぁ、と切り出す
ただ何か言葉が続く前に紅玉が声を張り上げた訳だが

「あのねぇ!絶対後悔するわ!誰かを傷つけてそれですっきりする?後で嫌になったりしないの?ましてやお友達なのに!」

彼女の瞳には私とジュダルがお友達に見えていて
そしてちょっとした喧嘩でもしてるように、見えているんだろうか
(違うのに)

「私は、貴方のそんな姿を見たくないわ!だから降りてきなさい!」
ははは、と気の抜けた笑い声をあげて座り込む
力が抜けてしまった
気を失っている白龍は平和そうな顔をしてる

「…気が抜けた」
盛大な溜息をついてジュダルも、降りてきた

「そうだ、止めにしようジュダル。桃を食べたことには紅玉のお菓子で手をうってくれる?」
「はぁ?そんな馬鹿みたいな話じゃなかっただろ!…お前の分の菓子の類はないと思えよ」

白龍の体をそっと抱き上げながら少し先を歩くジュダルと紅玉の後ろにつく

まだ、全部はわからない
本当はもっと面倒な事がたくさんあるんだろう
だけど、この先の道は決して闇の中ではないと思う

例えそうだとしても、私の腕の中にある希望を守り切ろう


ジュダ紅って実はとても素敵なんじゃないかと思いましてね!
マルティスと覇ピスが最近美味しいです
もうなんかちりは変態なんですかなんなんですか


Jan 29, 2014 19:00
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