ハリ男 | ナノ

今日も今日とて寝惚け眼な俺ですが、何やら周りが俺に対応し始めたようです。

「いつもすまんねー、ゴイル」
「そう思うなら自分で歩いたらどうだ」

やだちょっと、ドラコ坊ちゃまったら、俺が今誰に話しかけてるか聞こえてなかったの?俺“ゴイル”って言ったよね?もう、この年にして耳遠くなってきてるのー?そんなじゃあ先行き不安になっちゃうじゃないかー。
…等とは言わない。何故なら俺は眠いから。寝起きの悪い俺の目覚めを待っていてはいつまでも朝食に行けないと判断したドラコはいつからかゴイルに俺を運ばせるようになりました。
全く持って荒っぽい方法だとは思うのだけどね、実はこれがとってもいい。俺にとっても快適だし、寝起きの悪い俺に付き合うのが面倒なドラコ達も無駄な時間が一気に短縮させられる。強いて言うなら、毎朝毎朝ゴイルに悪いなーと思うんだけど、ゴイルからしたら俺は「ひょろひょろすぎて重いと感じたことない」らしくてむしろ「もっと食べた方がいい」なんてどこのギャルゲーよ!どこの少女マンガよ!的なことを言っていただいたくらいだから気にする必要はないらしい。
ちなみに、ゴイルの背中は大きくて広くて“よ!頼れる男”と呼びかけたいくらい素敵な背中です。パパンの背中を思い出し…あ、俺父親におんぶしてもらった記憶とかねーや、てへ☆

「もう、相変わらずハリーは寝癖も直さずに来るんだから」
「おはよー、パーキンソン」
「あー、はいはいおはよう。いいからそのまま動かないでね。今寝癖直しちゃうから」
「ハリー、これなら食べられるか?」
「…んー、そんなにいらなーい…」
「ならせめて、これくらいは食べろ。いいな?」
「んー、あいあいさー…」

背中で俺の寝癖を一生懸命直してくれてるパーキンソンに、せっせと俺のために朝食を小皿に取り分けてくれてるドラコ。…おいおい誰だよ、スリザリン寮なんて最悪だって言ったヤツは。……最高じゃねーかよ。

「今日の授業は、魔法薬学だな」
「遂にスネイプ先生の授業が受けれるんだな。お父様もスネイプ先生には一目置いていて…」

何やらぐだぐだ始まったが、ドラコのお父様自慢は今に始まったことではないので、朝食の乗った皿を空っぽにする作業に没頭することにする。
もっぐもぐしていると、クラッブが尋ねてきた。

「ハリーは、魔法薬学までに秘策がどうのこうの言ってなかった?」
「ん?あれ?だいひょうふだよ」
「こら、口に物を含んだ状態でしゃべるんじゃありません」
「あ、ごめんねかーちゃん」
「誰が母ちゃんだ」
「まぁ、ドラコとの漫才はいいとして、」

この日のために、夜しか寝れない程度には悩んだ“対スネイプ先生必勝法”、それを今日、遂に試すときが来たのだ…!


(抜かりはない…!)


130206


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