名が執務室に書類を届けに行けば隊長の朽木白哉の視界に捕らえられた。 「姓。」 「なんでしょう?」 「とりっく おあ とりーと だ。」 名は一瞬固まった。 「お菓子取ってきますね。今、持ってないんです。」 「何の話だ?」 白哉は不思議そうに眉を寄せる。 「隊長、お菓子欲しいんじゃないんですか?」 おずおずと尋ねれば今度は白哉が固まった。 「何故だ。」 「今、Trick or Treatっていいましたよね?」 「うぬ。」 白哉は解せぬ、と云わんばかりの顔。 「も、もしかして意味を知らないんですか?」 「うむ。恋次が何かの合言葉だと云っていたのだが…」 「それ『お菓子をくれなきゃ悪戯するぞ』って意味なんですよ。」 彼は納得したのか目を輝かせた。 「成程、恋次が大量の菓子を抱えていたのはその所為か。」 「外国のお祭りだそうです。」 白哉はほう、と頷く。 「姓は菓子を持っておらぬのか?」 「今、持ってきますって。」 「甘いものは好かぬ。」 辛いお菓子はあるだろうか、と考える。 ぼうっとしている間に白哉に口付けを落とされた。 「えと…あの?」 「悪戯だ。」 菓子が無いのであろう?、と彼は不敵に笑った。 鮮やかなる戯れ 「隊長、他の人には悪戯しないでくださいね?」 「姓、お前に今日一日菓子を持って歩く事を命ず。決して切らすな。」 「分かりました。」 アトガキという名のいいわけ Halloweenと云うことでほんのり変態っぽさを匂わせました。 管理人は白哉さんは横文字に弱い、と勝手に思っております。 反対に英語ペラペラだったりするのかしらw Back |