恋人が死んだ。
正確には三番隊副隊長兼私の恋人が、だ。

1年と数ヶ月の間、彼は沢山強くなった。
たくさん苦しんだし、たくさん迷ったのを私はたくさん見た。
それでも彼は死んだ。
涙はとうの昔に枯れてしまった。
副隊長だった彼は今、戦死者のただ一人でしかない。
とても悲しいことだけれど、私は何となくこれで良かった様な気がした。
彼は優しすぎたのだ。
戦うには、何かを失うには優しすぎた。
『僕は優しいんじゃなくて臆病なんだ』
そう言って笑った貴方が優しいのを私は誰より知っている。
彼が強くなったら彼は優しい人ではなくなるんじゃないか、と私は彼の修行中思った。
だから、優しいまま死んで良かったのだ。
私はそう納得した。
大好きな、私が愛し愛されたあの人は、皆が尊敬する優しくてしっかり者で働き者の吉良イヅルのまま死んだのだ、と。
それ以外に私が彼の死に納得できるような理由は何処にもなかった。
だから私は強くなろうと思った。
私の優しさも全て君にあげるから。
私は君の為に戦うし強くなるよ。

正義の在処

君の探したそれを求めて。



アトガキという名のいいわけ

イヅルってとっても優しい人だと思う。
亡くなったのがとても悲しいので書きました。




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