君にどうしても伝えたいことがあるんだ。

僕の話を聞いてくれ

バレンタイン当日。
廊下で恋人を見つけた。
足早に歩く彼女の背中は忙しそうだ。
「名」
名を呼べはその足は止まった。
くるりと振り返り無邪気な笑みを浮かべる。
「惣右介!!」
「どうしたんだい、そんなに急いで?」
「チョコ配りに行くの。あ、戻ってきたら惣右介にも渡すねっ」
それだけ言い残し名は隊舎を出て行った。

彼女が返って来たのは定時の少し前だった。
「疲れたぁ〜」
名が長椅子に反り返るようにもたれているのを見て惣右介は苦笑した。
「お疲れ様。僕からチョコレートをあげよう。」
「おぉっ!!」
さっきまでグッタりしていた名の目が輝く。
微笑ましく見ながら向かいに腰掛けた。
包装紙を破り箱を開けてチョコを頬張ろうと伸ばした名の手が止まる。
「惣右介、これは?」
チョコの隣に並んだ指輪。
「名、僕と結婚しよう。」
「本当?」
「ああ。どう、かな。」
「うれしいっ!!」
名は惣右介へと抱きついた。
「幸せにするよ。」
「もう幸せよっ」
彼女は不敵に笑った。



アトガキという名のいいわけ

バレンタインネタ。
藍染隊長はこんな感じかな、と。




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