5周年フリリク
to.AZUさん
なんでもない休日。
珍しく部活のない若の横で、パラリと雑誌のページを捲った。
隣の若も同じようにテニス関係の雑誌を見ている。
二人の間に会話はない。けれど、それでも一緒に居るというこの空間が何よりも幸せに思える。
「出かけなくてよかったんですか?」
『若は出かけたかったの?』
「そういうわけじゃないですけど」
『今、つまらない?』
「いいえ」
軽く口角を上げた若に、わたしもそっと微笑んでまた雑誌に目を移す。
隣でまた、パラリとページが捲れる音がした。
「もう少し」
『うん?』
「もう少し近づいてもいいですか?」
若のその言葉に驚いて、思わず顔を上げる。
ほのかに赤い頬で、だけどそれを見せないようにしている若。
そんな姿を見ていたら、なんだか心が暖かくなってきて、返事をする代わりにわたしからそっと近づいた。
隙間がないくらいに寄り添って肩を並べ、また二人で雑誌に目を通す。
『若』
「なんです?」
『好きよ』
急ですね、と若は顔を上げずに言った。
「俺も好きですよ」
続けて言われた言葉にドクンと鼓動が早まった気がして、なんだかドキドキしたのがわたしだけの気がして。
あぁ、悔しい。なんて思ったけれど、横目に見た若の耳が真っ赤だったから、雑誌を床に置いて若の肩に頭を乗せる。
そうすれば、わたしの肩を若の手包み、もっと傍へ、と言うように引き寄せられた。
隣
(言葉は少ないけれど、気持ちはすぐ傍にあって、だからこそこの人が愛しい)
20110621
イチャイチャ・・・!?
わたしが書こうとするとどうしてもほのぼのな感じの甘さになってしまうようです。
1年越しという遅くなりすぎなカタチで申し訳ないですが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!