(ジロちゃん×男の子)









「どうしたの、万里くん?」



今まで楽しそうに俺と話していた万里くん。
急にぼんやりしだしたので声をかけて見るも、返答がない。
ん?と思いつつ万里くんの顔を覗き込めば、とろんとした瞳。



「万里くん、眠いの?」

『ん、ん。ねむくないよぉ』



そうは言うものの、ごしごしと目を擦る万里くん。
口調も舌足らずになってきていることからかなり眠いみたいだ。



「眠ってもいいよ?」

『ねむく、ないも!』



それでも眠ろうとしない万里くん。



「ほんとに?」

『ほんと、だも』

「寝てもいいんだよ?」



再度尋ねると、万里くんは何かを考えるように俯く。
万里くんの発言を待てば、暫く続いた沈黙の後でおずおずと顔を上げた。



『ぼくがねむっても、じろーちゃんは、そばにいてくれる?』



俺の腹の袖をキュッと掴んで、そう尋ねる万里くん。
どうやら眠っている間に俺が居なくなることを心配していたみたいだ。
不安げな万里くんに笑顔で傍に居るよって言えば、安心したように万里くんも笑いまた目を擦った。



『ぜったい、だよ?ちゃんとそばに、いてね?』

「うん、絶対。ちゃーんと万里くんの傍に居るからね」



ゆっくりと瞳を閉じる万里くん。
柔らかそうな髪をサラリと撫で、俺はおやすみと呟いた。