甘い甘いお菓子を、2人で食べるこの幸せ。







〜丸井 ブン太の場合〜





突然だけど、実は俺には妹がいる。
名前はナナシ。
そんでもって、双子。



『ブンちゃん大変!』

「どしたナナシ?」

『駅前のケーキ屋さん半額セール中なの!』

「なにー!!」



ナナシも根っからの甘いもの好き。
俺と似てるだろぃ?



『これはもう・・・』

「『行くしかない(だろぃ/でしょ)!!』」



早速着替え2人で出かける。
もちろん目的地は駅前にあるケーキ屋。
ケーキが俺等を待ってるぜぃ!と、意気込んで歩くこと数十分。



『ひゃ〜!すごいよブンちゃん!ケーキ!ケーキっ!!』

「落ち着けナナシ、ケーキは逃げないぜぃ!」

『うん、うん!!』



目の前に広がる数種類のケーキに俺もナナシも興奮中。
だってよ、あれ見て興奮しないほうが可笑しいだろぃ?



『うぅー何にしよー』

「好きなもん頼んでいいぜぃ!」

『ふぇ?』

「にぃーちゃんが奢ってやる!」



たまには兄貴らしいことしないと、なんて思っているとドンと体に衝撃。
思わず手で支えてみる。



『ブンちゃんありがとー』



衝撃の招待はナナシで、俺にギュッとしがみ付いてくる。
満面の笑み付で。
くっそ、その笑顔は反則だろぃ!



『じゃあね、じゃあね、コレとコレとコレにする!』

「それでいいんか?」

『うん。えへへ〜!』

「俺は何にしよっかなー」



ショーケースの前で何にしようかと悩む俺。
先に決めたナナシは席取ってるね、とトレイを抱えて走っていく。
早く決めねぇと、と4種チョイスして店員からトレイを受け取るとナナシの元へと急いだ。
イチゴのショートケーキとフルーツタルトにベリータルトとシフォンケーキ。
それに加えてナナシが選んだケーキ3種が並んだテーブルは圧巻だ。
ナナシもその光景に目をキラキラさせている。



「食うか!」

『うん、いただきまっす!』



2人してモグモグと口にケーキをほう張り、その味を堪能する。



「ウメー」

『おいしいっ』

「幸せだよな!」

『うんうん幸せっ!』



俺の問いかけに、満面の笑顔で答えるナナシ。
だから、可愛いってーの!



「それウマそう」

『食べる?』

「ん。あー」

『どぉ?おいしいでしょ?』

「おぉ、ウマ!これ作った奴天才的!」



そんな会話をしながら、ケーキを食べさせ合う。
すべての種類を食べ終えて、ようやく店を後にする俺とナナシ。



『おいしかったねー!』

「あぁ」



手を繋いで帰る。
別に俺達はカップルとかじゃないけど、それが俺とナナシだから。
小さい頃から仲良しで、たぶんお互いいなくちゃならない存在。


『また来ようね、ブンちゃん!』



これから先も、俺たちは仲良し兄妹間違いなしだろぃ!





END_ブン太の場合
執筆20051209
再録20100306

仲良し双子*