平凡 | ナノ

見た目で決定 [9/34]


「最近どうよ」

「普通。そっちは?」

「普通。なんもない」

「……つまんない会話」


休日。美佐とお買い物して、今ファミレスにてどうでもいい会話を繰り広げていた。



「てかクラスも一緒なのにお互い最近どうって聞くのおかしいよね。見てるのに」

「だよね」

「そういえばこの前2年レギュラーと2ケツしたらしいじゃん、志眞」

「なっなぜ知っている!?」


私は何も話していないのに、とグワッと目を見開き美佐を見れば、怖いと引かれた。
話を聞けば、ジャッカルが口外したらしい。ふざけるな。そして、その話を横で聞いていた裕斗がそりゃあもうウザかったのなんの……と、その光景が目に浮かびます。



「やるじゃん、手出すなんて」

「手出してない!てか、偶然会っただけだし、まず知らなかったんだよテニス部って」

「だろうとは思った」

「今度からは気をつける」


顔も覚えたし、とジュースを飲んでいれば髪色がすごい奇抜な少年達がお店の中に入って来た。お、おいおい、あれって。




「年上担当にエロ担当に2年エース」


あ、遅れて苦労担当がやって来た。



「なにその担当制。てか2年だけ普通」

「だってわかんないし」

「エロはまあわかるけど、年上?」

「丸井ブン太。ほら、なんか母性本能くすぐりそうでしょ、彼の笑顔とか甘いモノ好きなとことか」



そんな彼も良い印象ってわけじゃないけど。

具体的に何がって言えるモノはないんだけど、なんか嫌いな人にはとことん嫌いオーラ発するらしいし無視するらしいし?


ファンの子はツンデレよ!なんて意味わからないこと言って勝手に萌えてるんだけど。



「2年エース、担当どうすんの?」

「どうしよっかなぁ」


実際に関わるとなると嫌だが、こうして勝手に話題に挙げたりするのは構わない。美佐と二人ならファンの子にも聞かれたりしないし。



「よくわかんないし、ワカメ担当で」


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