月が綺麗(創作)*BL
2014/01/23 21:50

黒田 一樹
(クロダ イツキ)

日阪 涼
(ヒサカ リョウ)



──涼side


「好き、なんだけど。」

「…え、俺?」

現実を受け入れきれず、
周りをきょろきょろと見回したが
心なしか周りに人は皆無。


目の前の彼、黒田 一樹は
俺のクラスメートで、
入学式からきっかり一年半、
俺が片想いしてきた相手。

背は軽く180をこえ、
(いや正確に言うと187センチで、)
顔のつくりだって端正で綺麗、
くわえて勉強もできる。
だけどスポーツは人並み。
球技は得意だけれど水泳は苦手。

すらり、とした手が左斜め前で
あがるのがみえて、慌てて俺も手を挙げて
今年も一緒に図書委員会に所属してる。
(つまり、去年も、ということなのですが)

かくいう俺は、
ぎり身長170センチ、
文芸部所属のその辺に居そうな平凡野郎。
スペックとかない、
っていうか、なんていうか。


「…付き合おう?」

「はぇ?」

少し、俺から目をそらして
照れながらいう一樹。

「じゃ、じゃあ返事楽しみにしてる!」

一樹は全速力で俺の目の前から消えて、
俺はぽつり、校舎裏に取り残された。

「好き、好きだけどさ。」

俺とお前の好き、は違う気がするんだよな。

そう思いながら、
彼のおとしていった広告を拾い上げた。


お二人様で半額料金!


●凝ったイタズラはもうやめよう?
○でも、俺には頼める人、お前くらいだから
●……期待、させんなよ。
○え?
●…なんでもない。
○…好きだよ、涼。
●………は、?
○嘘。忘れて。
●……、。
○ごめん……。大好きだよ?
●…!!





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