ガール←ミーツ→ガール(創作)*GLぽいもの
2015/05/13 06:09

笹原結-sasahara yui-
笹田香奈-sasada kana-

香奈side――

前の席の笹原さんは、いつも髪をゆるくまいている。

毎日毎日、あるスーパーのチラシに
SHR中、こっそりとかわいいペンで赤丸をつけ、
休み時間は誰とも群れることなく、
かわいいペンをくるくるまわすか、
ずっと窓の外を眺めている女の子。

"おはよう"と"さよなら"の綺麗な声をきく度、
もっと仲良くなりたいなって私は思うのだけど、
彼女はどうなんだろう?

---------

「あっ…。」

SHR中、担任の連絡事項の声はBGMの様に
流れていくと言うのに、笹原さんの声は
しっかりと私の脳に認識された。

どうかしたのか、と思って笹原さんを見ると
わたわたしながら、あのペンが転げ落ちるのを
とめたところのようだった。

それでもまだ彼女はわたわたしながら
床の方をきょろきょろと見回すので
私も気になって床の方を見た。

「あ。」

今度、声が漏れたのは私の方だった。

柔らかい黄色い紙に赤い丸。

とくとく心臓が音をたてる。

そっと、紙を拾い上げる。

トマト1玉69円、
卵1パック88円…お一人様1パック限り

あ、オムライス食べたいかもしれない。
裏をくるり、ひっくり返す。

お肉は3パック千円だから、
鶏肉を買って、余った分は唐揚げにして…

ようやっとSHRが終わったので
笹原さんの肩を叩く。

「はい、これ。」

笹原さんは黄色い紙を見て、
みるみる顔を赤くした。

「ありがとう…。」

消え入るような、声。

ああやっぱり、
私、この人のこと、知りたい。

思わず、口に出していた。

「放課後、卵買いにいこう?」

だって、彼女のかわいらしい字で
卵2パックってかいてあったから。
(私は青いペンで裏側の鶏肉に丸を付けて"オムライス"、"唐揚げ"ってかいてみたの)




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