後ろから延髄蹴り(創作)*BL
2015/05/05 20:24

八田side――


「かったりぃ…」

本日三度目の目覚ましの唸り。
ふと枕元のスマホをみれば
ちょうどメッセージアプリの通知が届いたところだった。
彼からの意味のないモーニングコールに俺は嗤う。

「いくかよ、ばか。」

いくらなんでも俺だって人間で。
勿論、それが故で
こんなときには惰眠をむさぼる権利だってあるはず
と俺は思う。

昨日、俺の告白を受けて明らかなショックをうけた彼と
笑いながらキャンパスライフ、
つーわけにはいかねぇ精神状態だった。

「ばーかばーか。」

どっちが馬鹿かは瞭然ではあるが、
今なら罵ってもばれやしねぇ。

昨日、寝室に持ち込んだ缶の縁にキスをした。

「んあー、うめぇ。」

ビールをうまく呑むことぐらいが俺の特技だった。
アルコールに強い訳ではないが、まわりがうまいと
感じるような呑み方らしかった。

片手でスマホを操作しつつ、
アルコールを口に運ぶ。

ずるずる堕ちるさまはなんてきもちがいいんだろう。

"何でお前は気軽に連絡とれるわけ?"
*え?*
"俺、昨日、言わなかったっけ?"

「……たらし怖。」

【好き…なんだろうな。】
確かに俺はそう言ったのに。

*気にしてないよ、俺*
"…あほか、俺が気にしてる"
*あれ、案外女々しい*
"喧嘩売ってる?"
*いや、告白受けようかなって。*
*あれ昨日、告白売らなかった?*
"…しね。"

「ばーかばーか。」

畜生、あっちが上手じゃねぇか。

真っ赤な顔で呟いた。


むかえにこい


失恋決め込んだ馬鹿がいるから




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