一方通行(創作)*BL
2014/11/16 22:14

幼馴染み的恋情


鈴木悠太-suzuki yuta-

佐々木仗-sasaki jou-


悠太side――


「ねぇ、仗さん?」

「なに?ゆーた。」

仗さんは、身長190超の幼馴染みで
図体はデカいのに仕草が可愛くて
しろくまみたいな男の人。

対して俺は
身長170弱の貧弱男。
童顔だからかペット的感覚で仗さんに
愛でられてる気がする。

だから、せめて筋肉をつけようと
ご飯たくさん食べて
頑張っているわけなのですが……。

……見栄(?)はって弁当あるのに
パンなんてかわなきゃよかった……!!

でも、いっつも仗さんはこれくらい
食べてるんだよなぁ……。
畜生、食べられん……。

「パン食べてください……。」

「だと思った。」

にこっと微笑んで俺からパンを受けとる。
仗さんのパンの購入数が
いつもより少なかったのは
多分、俺が食べられないのを
見越してのことだろう。

「うー……。」

ずるぃなあって思って机に突っ伏して
仗さんを睨む。

んっ?て顔してこっち見るんだけど
口のはしにパンくずがついてるのが
むかつく位かわいい。

可愛い要素も格好いい要素も
俺には何もなくて、仗さんが遠くて、
今みたいな時間も結構辛い。

仗さんもいつか彼女ができて
きっと俺なんかを
気にかけることもなくなるだろうし。

そもそも、俺が友情を愛情にかえて
仗さんと付き合っているんだから、
タブーをおかしてる俺が悪いんだけど……。

「てかさ、それなに?」

鞄からごそごそ綺麗にラッピングされた袋を
だして、にこにこ仗さんは微笑んでいた。

「お腹へるから貰った。」

喜ぶ仗さんに、【誰から?】なんて
きけなくて。

はやいところ、
この感情は消去しなくちゃいけないなって
考えて、悲しくなって、一粒涙を流して。

若干、心配げな仗さんが目にはいって、

「あくびだよ。」

って誤魔化しておいた。


叶わない恋なんてする予定じゃ無かった


ただでさえ自分はねくらで、
友情すらそもそも一つしか
持っていなかったのに。
それを愛情にかえただなんて、
俺は馬鹿だ。




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