従うのはもうやめた(創作)*NL
2014/10/27 20:14

「はるはるはるはるはる!」

「なに!?今日は忙しいの!」

「最近そればっかり……
ちょっとは遊び相手になってよ!」

「厭。」

「なんでぇ……。」

「兄貴、髪きるでしょ?」

「うん。」

「……それが厭。」

「は?」

「……髪、のばす……から。」

「え。」

あの日のお昼から
私は(ベリーベリー)ショートから、
ボブくらいまで髪をのばそうと決めたのだ。

それなのに(自称)美容師の兄貴に髪をきられたら
全くもって意味がない。

「……何?」

諦められなくなったの。
恋したくなったの。
やっぱり、どうしても、
ゆうが好きなの。
もう、恋なんてしないから、
初恋くらい、望みを下さいって
期待して髪を伸ばすの。
……脆弱な意志に溜め息がでるけれど。
一夜の夢をみるために、
いくつもの月日を淡い期待と激しい失意をもって
生きる私はきっと許されるんじゃないかとも思って。

「なぁ、兄貴。」

「うん?」

「恋って……痛いんだな。」

ぽつり、でた言葉はふわふわふわふわ宙を舞って
兄貴の周りの時をかっさらったみたいだった。

「……んー。」

眉間にシワをよせてじっくり考えた兄貴は、

「シャンプー、コンディショナー、ドライヤー
あとでいいのもってく。」

にやり、微笑んだ。

「恋は甘いね。お前のは愛なんだよ。だから、重い。」

とも付け足した。



恋心を無視するはもうやめた

恋心を無視する間に愛にかわってしまったみたい。




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