二番目の少女の恋。(NL)
2014/07/26 21:10

そばかす。

にきび。

ひとえのめ。

ながたらしいきんいろのかみさきはえだげだらけ。

母はきっと私に期待してない。
きっと、たぶん、灰かぶりのソフィーよりも、
私には存在価値なんて、ない。

あのドレスの縫い方を、
あの部屋の掃除の仕方を、
ソフィーは知っているのに。

私は、知らない。

ごめんね。ソフィー。
あなたの縫ったドレスを着る価値なんて
私には……ない、のにね。

綺麗なピンク色のドレス。

私には似合わない。

恋も、したことない私には……。

きっと一番目の姉には素敵なお見合い相手を
母は見つけてくるだろう。

姉は、きがつよいから、
彼女は家を守れるだろう。

妹は可愛くて、家事もできるから
自然に恋ができるだろう。

でも……でも、私は。

「だいじょうぶ?お嬢サン。
……飲み物、のむ?」

「あ、……ありがとうございます。」

嗚呼、今日は舞踏会。
今日くらい、前をむかなくっちゃ。……

「て、アルベルト?」

目の前にいるのは幼なじみのアルベルト。
そばかす女って私をよくからかってくる。
奴も、そばかす男なのに、よ?
笑っちゃう。

「なんだ、アリーセか。
ピンク色のドレス着てっからどんな美人かと
思ったのによ。」

「わ、悪かったわね。」

でも、私、今日それくらいじゃ
怒る気はないの。

だって……だって。
今日はちょっとだけ、前を、みるってきめた、の。

「そばかすは相変わらずだけど、
今日はちょっとだけかっこいいわ、アル。
…………うぅ。」

だめ、やっぱりだめ。
こういうセリフ、だめ、いえない。

社交辞令でさえ無理なのよ?!
恋、こ、恋なんてしたら……!?

無理、無理ッ

「おーい、アリーセ?アリーセ?
今度は真っ赤になってだいじょぶか?
アリーセ?アリーセ?……あ。」


「な、なんでもないよっ!
だいじょぶだから!」

うわぁああぁ。
馬鹿、私の馬鹿。
もう、だから、こういう所、嫌い。

「アル、ずっと一緒にいて。」

「……は?、え。……あぁ!!勿論。」

「ありがとぉお!アル!大好き!」

「……お前なぁ。時、場所、考えろ。
俺に彼女ができなくなるだろ?」

「あぁあああ!ごめんっ、ごめん、アル!」

「まぁ、そんときは責任、とれ。」

「え?」

「アリーセ、ずっと一緒にいろ。」


今の、なに?今の、今の、って……?


「アルベルト!おめっとー!」
「ようやっとかよ、このヘタレ。」
「アリーセちゃん、よかったねー。」

アルをからかう祝福の声。

「…………わ、わたし、恋、してる……?」

私の独り言は
照れたアルには聞こえなかった。


二番目の少女の


その日、本当に美しかったのは
彼女のほう、だったとか。







*prev/next*
back/top

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -