ストーカー



女の子「ねーねー、いつまできれ続けるの?」 

背中から耳に痛い言葉が飛んでくる。 

男「……そのうちやめるよ」 

情けない声で返答するしかない。 

女の子「……ストーカー」 

男「うっさい」 

あながち間違いでもないその言葉にドキッとした。 
しかし、自分に言い聞かせる。 

男「俺はコンビニに言ってるだけだよ」 

女の子「……はぁ」 

そんな男の声に女の子は飽きれたような溜息。 

昔から、優柔不断。 
定食屋でメニューを迷い出すと決まらない。 
友達2人に遊びに誘われると、どちらかひとつを選べない。 
バレンタインでもチョコを沢山もらったが、誰にも返事をしなかった。 

女の子「あーあー、毎年あんなにチョコもらう癖に相変わらずなんだから」 

おっしゃる通りだった。

何年か前に、一度だけ好きな人ができた。 
そのときは何をするでもなく、その子との関係はなにも持てなかった。

そして今回こそは、と思うのにどうにもうまく行かない。 

あの毎回のように買う肉まんは小さな自分への抵抗なのだ。 
なにも自分でできないことへの。 

女の子「肉まん買う理由も意味不明だしー」 

男「わかんなくていいよ」 

なぜ毎回肉まんなんてものを買っているのか。
これは正直言いたくない。 
こんなことをいえば、また馬鹿にされる理由がひとつ増えてしまう。 

女の子「ま、それはいいけどね」 

どつやらそのことに関してはあまり、突っ込む気もないようだ。

男(……肉まん、ねー) 

少し懐かしんでみる。 
あれは、もう三年も前のことだった。 

高校1年にして、初恋。 
それは急に訪れた。 


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