不敵
城の中から、男の大声が聞こえた。
老婆は何も変わらず、不敵な笑い赤い眼を光らせゆっくりと歩く。
カラン…
窓に光がついている。
窓が開いている。
男の叫びが聞こえた。
その窓は老婆を導いた。
老婆はゆっくりとその窓に向かう。
カラン…
老婆「そこにおるんじゃろう…?」
老婆が呟く。
目線の先は考えずともわかる。
光が漏れる、その窓。
カラン…
老婆「お前さんは必ず戻ってくる」
老婆は呟く。
男を待つ。
杖と共に。
光が漏れる窓の下。
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