監視
【王城】
執事「やはり王…今日という今日は姫様のご様子を…!」
王「……」
王はだんまりを続ける。
監視など娘がおかしくなった、そう言っているように感じ、なかなか答えを出せずにいた。
執事「王…」
王「……」
執事の言うことは痛いほど分かっているつもりだ。
執事「……」
執事がただのお節介ではなく、本当に親身になって考えてくれていることもわかっていた。
王様「執事…」
昔は娘の遊び相手にもなってくれていた。
姫が無茶なことをすれば、多忙な自分に代わり叱ってくれた。
彼と姫は家族同然の存在なのだ。
王様「私は…」
そんな執事がそう言っているのだ。
王様「…私はどうすれば良いのだ?」
そんな彼の言葉をいつまでも、無下にすることにはいかぬだろう?
娘を本当に思っているのだったら、行動しなければ。
娘一人、思えぬ王に誰がついて行こうと思うのだ。
いつまでも、独りよがりな勝手な悩みにかじりついているわけにはいかない。
執事「…姫様に今からでも、監視員をつけましょうぞ」
ーーわたしはこの国の王なのだ。
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