痛み



・・・・・・ここで最後だ。
あるゴキブリをからかった場所だ。
どうせここも誰もいないだろう、そう思ってここに来たのが間違いだった。


強気なカブトムシ「おうおう、きたな」


そこには昨日、俺と一緒にゴキブリをからかったカブトムシがいた。
そうだった、いつもこれくらいの時間になるといつもこいつはここにいるんだった。
・・・・・・俺と一緒に。


強気なカブトムシ「おい、なんだよその目は。 気持ち悪さがましてるぞ?」


ふざけやがって。
俺は昨日、お前の隣にいたんだぞ?


G「うるさい、俺は昨日までカブトムシだったんだ」

強気なカブトムシ「・・・・・・は?」


・・・・・・しまった。
カブトムシにとって、ゴキブリにこんなことを言われるのは屈辱的だろう。
馬鹿にされると思うのがいいとこだ。
このゴキブリの姿のままこいつと戦ったら、身が持たない。
さすがに強気なカブトムシも、殺しはしないだろう。
しかし、早く元に戻りたい状況でこいつと戦っても何の得もない。


強気なカブトムシ「お前今、なんていった?」

G「い、いや・・・・・・」


予想通り、強気なカブトムシはからかうだけで返すつもりはなくなったようだ。
背中に悪寒が走り、早く逃げろと俺の頭が命令してくる。
これはやばい、そう直感して俺は走りだそうと強気なカブトムシに背を向けた。


強気なカブトムシ「おい、待てよ」


しかし、すぐに腹の下に強気なカブトムシの角が入り込んできた。
やはり、ゴキブリがカブトムシから逃げるなんて無理な話。


G「ぐぁ・・・・・・」

強気なカブトムシ「お前、馬鹿にしてるのか?」


強気なカブトムシが俺を持ち上げながら言た。
物凄く深いそうな、高圧的な声。


G「うぐ・・・・・・そんな気は・・・・・・」

強気なカブトムシ「ほう、冗談であんなことを言ったのか?」

G「・・・・・・」


本気で言ってるが、それを言ってもどうしようもないだろう。
俺は必死に逃げ出す方法を考えた。
しかし、そのかいもむなしく、強気なカブトムシは攻撃を開始した。

俺はただただ、その攻撃を耐えるしかなかった。


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