食べ物



G「・・・・・・」

たどり着くと、そこには多くの蟻が群がっていた。
これでは様子が見れないではないか。
しかし、蟻といえど束になればかなり強い。

普段はゴキブリ以下の生活をしているが、本気を出せばやられかねない。
特に今はゴキブリの姿なのだ、用心せねば。

だが、このまま何も見ずに帰るわけにはいかない。
それではここに来た意味がなくなってしまう。
仕方なく、蟻達に話を聞くことにした。

G「蟻よ」

蟻A「なんだい」
蟻B「なんだい」
蟻C「なんだい」


三匹の蟻が同時にこちらを向いた。
気持ち悪いやつらめ・・・・・・。
・・・・・・俺もゴキブリだけども。
俺は言葉を続ける。


G「・・・・・・ここで変わったことはなかったか?」

蟻A「うるさい」
蟻B「黙れ」
蟻C「ゴキブリが!」


これはひどい。
いくらゴキブリだってその扱いはないだろう。
それにこっちは質問してるだけだ。
取って、食おうなどとは考えていない。

・・・・・・しかし、ここでいつもの用に熱くなってはいけない。
この状況の今、俺は常に冷静でいなくてはいけないのだ。


G「・・・・・・忙しいのはわかるが、答えてくれないか」

蟻A「えー」
蟻B「うーん」
蟻C「ゴキブリが!」


・・・・・・三匹目だけ捻りつぶしたい。
しかし、ゴキブリの姿だ、やめておこう。
飛んで逃げるのも苦手だし、なによりここで死んでは意味がない。


G「お願いだ、この通り・・・・・・」


俺は頭を下げた。
首の辺りが気持ち悪いが仕方ない。


蟻A「わ、わかったよ、気持ち悪いから頭上げろ」
蟻B「うわー・・・・・・」
蟻C「ゴキブリが!」

G「有難う・・・・・・」


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