理由
まず、初めに何をしよう。
外には出れ、場所も分かるが、この姿ではカブトムシの群れに戻れるとは思えない。
さすがに年老いたゴキブリのように、理解してくれるのはほんの一部だろう。
それよりは原因を探すため、昨日の寝る前の一連の行動を思い出す方が有意義だろう。
俺は昨日の一日のことを振り返るため頭を捻った。
そして、おぼろげながらも昨日の行動を搾り出す。
夜いつも通り起きて、いつもの場所に蜜を吸いに行った。
そのときは仲間と少し談笑したが、特に何もしなかったはずだ。
適当に食べて、少し持ち帰ったが結局蜜を食べなかったことくらいだ。
まさか、それが原因か?
嫌、まさか・・・・・・。
そんなことで、ゴキブリにされてはたまったものではない。
他はなんだろう、ニンゲンに捕まりそうになったりもしたな。
よくあることだが。
そのとき仲間を一人見捨てた・・・・・・。
しかし、俺だって危なかった。
この世界は弱肉強食なのだ。
・・・・・・。
そう思うと、カブトムシも大して強くない気がしてきた。
ニンゲンは世界最強とも詠われているし、よくある話ではある。
それでも、少し悔しい思いをするのは事実だった。
他はそうだな・・・・・・ゴキブリを少しからかった。あれは面白かった。
相変わらず、ニンゲンの食べ物を漁る事しか考えていない。
この3つくらいだろう。
思い当たるといえば、思い当たる節は。
とりあえず、最初の蜜を捨てた場所に行ってみようか。
[ 3/17 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]
[
NovelTOP]