捧げもの | ナノ
※烏丸 零さまリク!
今日も此処、立海では激しい戦いが行われています
「なまえーそれ俺んのだろぃ?」
「何言ってんすか先輩!俺のって決まってんすよ」
「ふふっ赤也、それは俺のだよ」
『……あのぉ』
今、テニス部の中で熾烈な争いがくり広げられている
その名も・・・
【みょうじなまえのお弁当は一体誰か!?もちろん俺に決まっている!!】
と、いう戦いである
そう!これはテニス部マネージャーなまえみょうじの手作り(←ここ重要)を貰うのは誰なのかを争うのだ
『……こわいんですけど』
みんなはお弁当を貰いがたいゆえに目が血走っている
柳に限っては閉じられている目が今は開いていた
「俺がなまえのお弁当を貰う確立…100%だ!」
「たっ、たるんどる!そんなたかが弁当一つ…」
真田が発した、その一言が状況を変えた。
「ふふふ…真田、今なんていったんだい?」
「ゆ、幸村……」
真田VS幸村と愉快な仲間たちという状況を作ってしまった。
『あれ?仁王は……?』
なまえはテニス部員の一人がいないのに気づいた。
「どっかにいるんじゃねぇ?」
ガムを膨らませながら、丸井ブン太は言う。
なまえは辺りを見渡すがそれらしき人影は見つからない。
『柳生!仁王知らない?』
彼と仲がいい(多分…)柳生に聞いてみる。彼は眼鏡をくいっとあげて、にっこりとわらった。
「仁王君は用事で遅くなると言っていましたよ。それは仁王くんに……?」
それ、とはもちろんお弁当のことだ。
『へ!?いや…、その…///…うん。私、仁王のこと好きなんだ』
なまえはゆでたこのように顔を赤くさせた。
図星だった。
なまえは仁王のことが好きなのだ。
一応、マネージャーということで贔屓しないようにしているのだが、今日は違った。
今日は……
「―――今日は確か、仁王君の誕生日でしたね」
彼の誕生日なのだ。
*
『うん。私、料理しか特技がないから…』
悲しそうに、顔を伏せるなまえから柳生はお弁当をとった。
「そんなことはありませんよ。みょうじさんにはみょうじさんのいいところがあるんですから…」
『そう、かな?』
なまえは柳生の言葉に感激して、涙を一つ流した。
「あぁ、そうじゃよ」
え……?
顔をあげる、なまえが見たものは、にっこりと笑っている柳生の姿。
『え?えぇ?えええ?』
混乱するなまえ。すると柳生は溜め息をついた
「お前さん、俺と柳生が変わっとるのも分からんのか?」
眼鏡をはずすと、そこには仁王がいた。
「それにしても、まさか目の前の人物に告白するとはのぅ?」
ニタリといじめっ子のように笑う。なまえはさっきまでの会話を思い出し、顔を紅くした。
“仁王のことが好き”
まさか、目の前にいる人物に言ってるなんて思わなかった。
「これ、俺の為に作ったんじゃろ?貰うとするかのぅ」
嬉しそうに笑う仁王を見てなまえも嬉しくなっているのを感じた。
「あー!仁王、ずるいぞぃ!!」
丸井がこっちを向いて、仁王を指差している。幸村も気づいたようで、にっこりと笑っている。
「なまえ……」
仁王は、なまえの耳に顔を寄せた。
「 俺もなまえが好きじゃ 」
その瞬間、なまえの顔から湯気が出た。そんななまえを見た仁王はお弁当を持って丸井の元へと走った。
『なんなの…///』
なまえは赤くなった顔を冷やすために、暫くそこに立っていた。
心臓に悪いくらい、
(あなたが好きです)