捧げもの | ナノ



※烏丸 零さまリク!




今日も此処、立海では激しい戦いが行われています


「なまえーそれ俺んのだろぃ?」
「何言ってんすか先輩!俺のって決まってんすよ」
「ふふっ赤也、それは俺のだよ」
『……あのぉ』


今、テニス部の中で熾烈な争いがくり広げられている

その名も・・・


【みょうじなまえのお弁当は一体誰か!?もちろん俺に決まっている!!】


と、いう戦いである

そう!これはテニス部マネージャーなまえみょうじの手作り(←ここ重要)を貰うのは誰なのかを争うのだ


『……こわいんですけど』

みんなはお弁当を貰いがたいゆえに目が血走っている
柳に限っては閉じられている目が今は開いていた

「俺がなまえのお弁当を貰う確立…100%だ!」
「たっ、たるんどる!そんなたかが弁当一つ…」


真田が発した、その一言が状況を変えた。


「ふふふ…真田、今なんていったんだい?」
「ゆ、幸村……」


真田VS幸村と愉快な仲間たちという状況を作ってしまった。


『あれ?仁王は……?』


なまえはテニス部員の一人がいないのに気づいた。


「どっかにいるんじゃねぇ?」


ガムを膨らませながら、丸井ブン太は言う。
なまえは辺りを見渡すがそれらしき人影は見つからない。


『柳生!仁王知らない?』



彼と仲がいい(多分…)柳生に聞いてみる。彼は眼鏡をくいっとあげて、にっこりとわらった。



「仁王君は用事で遅くなると言っていましたよ。それは仁王くんに……?」


それ、とはもちろんお弁当のことだ。


『へ!?いや…、その…///…うん。私、仁王のこと好きなんだ』


なまえはゆでたこのように顔を赤くさせた。

図星だった。

なまえは仁王のことが好きなのだ。
一応、マネージャーということで贔屓しないようにしているのだが、今日は違った。

今日は……


「―――今日は確か、仁王君の誕生日でしたね」


彼の誕生日なのだ。










『うん。私、料理しか特技がないから…』


悲しそうに、顔を伏せるなまえから柳生はお弁当をとった。


「そんなことはありませんよ。みょうじさんにはみょうじさんのいいところがあるんですから…」
『そう、かな?』

なまえは柳生の言葉に感激して、涙を一つ流した。


「あぁ、そうじゃよ」


え……?


顔をあげる、なまえが見たものは、にっこりと笑っている柳生の姿。


『え?えぇ?えええ?』


混乱するなまえ。すると柳生は溜め息をついた




「お前さん、俺と柳生が変わっとるのも分からんのか?」


眼鏡をはずすと、そこには仁王がいた。


「それにしても、まさか目の前の人物に告白するとはのぅ?」


ニタリといじめっ子のように笑う。なまえはさっきまでの会話を思い出し、顔を紅くした。


“仁王のことが好き”
まさか、目の前にいる人物に言ってるなんて思わなかった。


「これ、俺の為に作ったんじゃろ?貰うとするかのぅ」


嬉しそうに笑う仁王を見てなまえも嬉しくなっているのを感じた。


「あー!仁王、ずるいぞぃ!!」


丸井がこっちを向いて、仁王を指差している。幸村も気づいたようで、にっこりと笑っている。


「なまえ……」


仁王は、なまえの耳に顔を寄せた。




「 俺もなまえが好きじゃ 」





その瞬間、なまえの顔から湯気が出た。そんななまえを見た仁王はお弁当を持って丸井の元へと走った。


『なんなの…///』


なまえは赤くなった顔を冷やすために、暫くそこに立っていた。







心臓に悪いくらい、

(あなたが好きです)









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