過去に戻る事はできない。
だから"今"を共に過ごそう


「……俺、が?」
『あぁ、お前さえよければな』


シリウスからエリザベスの居所を聞き、エリザベスの安全を確認した後、俺はシリウスに"一緒に暮らさないか?"言った。
案の定、それを聞いたシリウスはビックリしていた。


『シエルにはもう了承をとっている』


シエル曰く、"家族は一緒に住むもの"だそうだ。
…まぁ俺も一緒に暮らしたがったが、シエルが許すとは思ってもみなかった
許してくれてありがとうな、シエル


全てが解決し、屋敷へ戻ったシエルたち。

屋敷は何事もなく…といいたいところだが、あの三人の存在を忘れていたのを後悔するときがやってきた。

屋敷は半壊状態。
その修理でセバスチャンはものすごく忙しかったとか


「いいんですか、坊ちゃん」


紅茶を運んできたセバスチャンは少し、疲れているようだった。


「…何がだ」


紅茶を啜りながらシエルがそういうとセバスチャンは小さい溜め息をついた。


「名前さまの弟のことですよ」


シエルは紅茶を飲むのをやめて窓から外の景色を眺めた。


「……しょうがないだろう。名前の弟だ、無下に扱うわけにもいかない」


"それに名前の頼みだからな"とシエルは笑ってはいないが、頼られたことが嬉しそうだった。

……結局、この人は名前さまに惚れてる、ということか

なんともくだらない、と思いながら仕事に取り掛かるセバスチャンだった。


『なぁ、執事の名前』
「なんですか?お嬢様」


屋敷に戻った後、名前と執事の名前は部屋でくつろいでいた。


『…俺、こんな女だけど執事の名前がいてくれてありがたいと思ってるよ』


ボソ、と誰にも聞こえないように言ったが悪魔の執事の名前には充分に聞こえていた。


「……お嬢様」


普段、そんな事を言わない名前にびっくりしながらも執事の名前は感動していた。


「私はずっとお嬢様の傍にいますよ」


それぞれ、色んな形で終わりを遂げた。
やっと暫く静かなときを過ごせると思っていたが、どうやらまだまだ終わらないらしい







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