『お前がシエル・ファントムハイヴ…』
やっといろんなものが終わってあらためて俺の婚約者とかいう奴を見ることができた。
「じゃあこの娘をよろしくお願いしますね」
え…何言ってんだ
「はい、お預かりさせていただきます」
え…え…?
『ちょ…どういう事なんだ?』
俺だけ1人、この状況を把握していなかった。
「…お嬢様はこちらの屋敷で修行されるのです」
はぃ!?
『修行って何?何のために?』
「お嬢様が一人前になるための…です」
『はぁ!!!?』
そんなの聞いてね―よ!!!??
***
『――セバスチャンにフィニ、バルド、メイリン…だな』
シエルに使用人たちのことを教えてもらった。
「お嬢様、せめて言葉遣いを…」
『めんどくさいし…ありのままの自分?って奴を見せたほうがいいんじゃねぇの?』
「そうですけど、」
『じゃぁいいじゃん?ってことで』
渋々執事の名前は納得したようだ。
無理やりだったけど…
「では、お嬢様…私達は帰りさせて頂きます」
――ん?何て言った?そんなの俺は許さないゾ☆
『なんていった?よく分からなかったゾ』
「…私達は帰りますので、お1人で…」
・・・
『おまっお前はこんなか弱いウサギをおいていくのか!?逃げるのか!?』
俺がそういうと執事の名前は「ハァ」と一つ溜め息をついた。
「大丈夫ですよ、お嬢様はウサギじゃありません…動物でいえばナマケモノって感じですかね」
『おいおい、兄ちゃんよ〜そりゃあどういう意味だぁ?』
ちょっと不良っぽくいってみた。
チラッと執事の名前を見ると軽蔑の目を俺に向けていた。
なんというやつ!!
『本当に帰りやがった』
結局、執事の名前とエリザベスは屋敷に戻っていった。
執事の名前の裏切り者!!
まぁ、そんな事はおいといて…
今からどうすりゃいいんだ!?
『…あの、修行というのは?』
俺は執事のセバスチャンに聞いた。
「花嫁修業とでもいいましょうか」
『花嫁修業!?』
ほ…本格てきだな
「あ、お兄…執事の名前さんはまたこの屋敷に戻ってきますよ」
『そ、そうですか』
戻ってくんのか…
「セバスチャン、それで花嫁修業の内容は…」
シエルが口を開いた。
「あぁまずは炊事洗濯、それから坊ちゃんの身の回りのお世話、それと…」
セバスチャンが悪魔に見えてきた…
てか悪魔だった
『…シエルのお世話?』
「そうです、まず朝は坊ちゃんを起こしてそれから紅茶などを…」
あああああもう聞きたくない
「…セバスチャンそれはお前の仕事だろう」
「人に押し付けるな」とセバスチャンを睨むシエル。
『俺なら大丈夫だ、まかせろ!』
ニコッと笑って名前は言った。
「…(心配だ)」
シエルはその笑顔に不安を抱えて、それでも名前を信じることにした。