《突然に得体の知れない入江奏多。中の人ネタ有。》
「ふーじーくんっ♪」 「うわぁッ」
U-17合宿所。 風呂上り、不二が濡れたままの髪をときどきタオルでごしごしやりながら廊下を歩いていると、廊下の角からにょきっと何かが現れて、思わずヘンな声が出た。 そのにょきっと出てきた黄色の綿菓子のようなものは、にこにこと不二自身とはまた違った腹の底を見せない笑顔で不二の名前を呼んだ。
「…驚かせないでください、入江さん」
むだにハイなテンションと、大して接点のない相手との突然のエンカウントに戸惑いつつ、不二はようやっとそう返して、それきり黙った。
そんなに嬉しそうに名前を呼ばれる覚えなんてあっただろうか?
そもそも自分の名前を彼が記憶していたこと自体、なんだか妙な感じさえする。 不二は自分が相当気まずそうな顔をしていることを自覚していたが、入江に対する言いようのない、拭えぬ不信感からいつものように笑えずにいた。 そもそも不二の笑顔は一度崩されるとなかなか元に戻るのが難しいのだ。
そんな不二の気を知ってか知らずか、いや、おそらく知っていて大して気にせずに入江は言った。
「どう?僕の部屋に遊びに来てみない?」
ぱちり、とキレイなウィンク付きで。 突然のお誘いに脈絡を汲み取れず、当然不二は唖然として、
「…は?」
などと素直すぎる声を漏らしてしまったのだが、入江の方はやはりこれも意に介さず。
「なんだか君を見てるとつい昔が懐かしくなってね。僕にもそんな時代があったなぁ…なんて。ふふっ」 「…そう、ですか。」
嬉しそうに頬を撫でてくる、顔に似合わないしっかりとした指先につい顔をしかめても、入江はただ微笑みかけてくるだけだった。指を離す気はないようだ。 終いにはふにっと摘まんでみたり、伸ばしてみたり。不二がいい加減「やめてください」と口にしかけたときになってようやく、入江はほんの少し質の悪そうな口角の上げ方をして、
「それにね、やっぱり自分より小さくてカワイイコってソソられるものがあるよね?」
不二のくちびるをペロリとひと舐めした。
Q.どうすれば、今日をもっとよい一日にできましたか? A.どうもこうもないさ!今日突然入江さんに話しかけられて、しかも、その…キスされた。全力で逃げて帰ったけど本当になんなのかさっぱりわからない!白石も幸村もすごく心配してくれたけどどう話していいか分からないし…。でも懐かしいってどういう意味?どうしても気になって悶々としてる。それだけでも聞けたなら、まだもう少しラクな気持ちでいられたかも。
懐かしいってそりゃ自分が不二くんだったときのことですよね。というわけで突然の入不二 |
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