《その愛情、重たいよ。正直うざったい植物組》
「ふ、ふ、ふ、不二クン!今帰ってきたで!!!」 「大丈夫かい!!?いますぐ俺が助けてあげるからッ!!!」
201号室のドアが、これでもかというくらいの爆音をたてて開いた。 そりゃあもう壊れるんじゃないかという勢いで。 それでもって騒々しく叫び声を上げながら同時に押し入って来たのはここ、201号室の白石蔵ノ介と幸村精市である。 ふたりのターゲットはただひとり。
「うるさいんだけど」
少し赤くした鼻をズズッと鳴らした不二周助。 そんな彼の冷ややかな一声は、彼の埋もれる羽毛布団にくぐもった。
が、凛としているはずの声が詰まっているのはそのせいだけではない。 不二が「あー、ティッシュ、ティッシュどこだっけ…」と枕元を手探りすると、白石は無駄のない動作でポケットティッシュを取り出し、すぐさま不二に駆け寄った。
「ほ、ほんまに大丈夫なん?苦しない?しんどぉない?どっか痛ない?なんか欲しいモンはないんか?あるんやったら遠慮せんと言うてえぇんやで?な?」 「…いや、そんなに一気に言われても困るんだけど」
ありがとうを言わせる間もなく矢継早に言いまくる白石。苦さ混じりに笑ってみせる不二に、今度は幸村が言う。
「白石に文句が言えるなら十分元気じゃないか。なんて言うと思ったかい?まだまだ甘いね。不二。ふふっ、まあそんなところも可愛いんだけど。そうそう、これね。鼻づまりに利くアロマなんだけどどうだい?カユプテの香り。今日は一日俺が看病してあげるから覚悟してよね。」 「…あ、うん。ありがとう」
ティッシュを受け取りはしたものの詰まってしまって上手く鼻のかめていない不二に気付いたらしい。幸村は目敏く小瓶を取り出して、にっこりと微笑んで見せた。
え、ここ合宿所だよね?それどこから持って来たの?
そんな疑問が解決される日は来ないであろう。おそらく。タジタジにお礼を言う不二の苦笑いは更に深まった。
そもそも看病に必要な覚悟ってどの覚悟だよ。 他にもツッコミたいところは満載であるが、それを言う前に不二が咳き込んだ。
「うわぁあああああ!不二クン死んだらアカン!アカンで!!!」 「うるさいよ白石!不二の体調に障ったらどうしてくれるんだい!?」
Q.いちばん最後に病気になったのはいつですか? A.今日、だね。今年は誕生日がないとはいえやっぱり微妙な心地。心配した白石と幸村が練習放って看病しにきてくれたんだけどいろいろと大変だったんだ…そりゃあもう、本当にいろいろとね。ここには書ききれないからまたの機会に書こうと思ってる。白石も幸村も寝ちゃったから僕ももう寝ることにするよ。おやすみなさい。
実はキリ番4444の冒頭部分。いろいろと大変な本編も上げねば。 |
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