もぞもぞと何かが動く気配がして俺は目を開けた。真っ青な何かがゆらゆらと動いていてギョッとする。
何だこれ!だなんて一瞬思ったが覚醒してきた頭が今朝の記憶を引っ張り出してくれた。そうだ、ヨハンさんを泊めることになって、それで……。
お風呂での行為を思い出して顔がカッと熱くなる。俺もヨハンも何やかんやでノリノリだった気がするから余計恥ずかしい。熱を何とか静めようとはぁ…と息を吐き出すと掠れたような甘い声が出てしまう。それを何度か繰り返しているといきなり青色が消えて、目の前にはヨハンがいた。

「ヨ、ヨハン……?」
「寝起きにそういうのやめてくれよな…」
「へ?何の話だ?」
「息だよ。耳元ではぁはぁ言われてたら……その…」
「あっ……わ、悪い!」

慌てて口を押さえると、ヨハンもお風呂でのことを思い出していたのか頬が赤くなっている。

やばい、気まずい。

それをヨハンも感じとったのか話題をすぐに変えた。

「そういえば俺の服って……」
「あっ、もう大丈夫だと思うぜ!」

すっかり乾いた洋服を渡すとヨハンは早速着替えて貸していた洋服を鞄へとしまう。

「今度洗って返すなー」
「そんな気にしなくてもいいよ!」
「しょうがないだろ〜…気になるんだから!」

結局、今度会う時に返してもらう、という話になった。
時刻は既に午後の2時。腹も減ってきたし、何か無いかと戸棚や冷蔵庫を探すがさすが俺、何にも買ってなかった。一人暮らしだからって、廃棄の弁当で済ませるのは問題だな……。
ほんの少し反省して外に食べに行くのを提案してみた。

「ごめん、うちに何も無くてさ……良ければ外で食わねぇ?」
「ああ!じゃあそろそろお暇しようかな。駅前で飯食って、それでお別れってことでどうだ?」
「ぁ……うん」

そうだ、ヨハンとはもう別れなくちゃいけないんだ。元々、ヨハンは巻き込まれただけ、俺のわがままでいてもらっただけなんだし……。





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