ごじゅうよん
落ち着いた色の傘が目の前で落ちると同時に雨で冷えた体は自分とは違う温もりに覆われた。
「なんの、ことか…さっぱり……」
「嘘だ…嘘だ……嘘だ…!!」
痛い痛い痛い!!
錫也さん!?ちょ、痛いっす!!
物理的な意味でも、客観的にみても!!!!
というか何?!どこかの竜宮さんちのレナちゃんみたいなんだけど!?
「俺は、そんなに信用ないか…?なあ、星河。教えてくれよ。何を隠してる?」
懇願するような揺れた瞳でみつめてくる錫也に、息が詰まる。
「と、とりあえず離してよ…ね?みんな見てるし…濡れちゃう」
「星河が言うまで離さないからな。」
「そんな……」
またホモ疑惑が浮上するよ!?もう私嫌なんだけどあれ!!
いや、論点がそもそも違うことは自分でもわかってるけどさ!!
言えないじゃん!?元から頭緩そうと大いに思われているに違いないのに、トリップしてきたんですーてへぺろ☆なんて!!こいつヤベェ奴や…って思われるの必至だよ!!!?いやもう既に思われてるかもしれない…!!
ここまでにかかった時間約十秒。
ぐーぐる先生も驚くはずさ!!
いや、これも論点が違う。
「あっ、後で!!後で絶対言うから!!離して錫也!!」
「絶対、だな?」
「うん!!」
「わかった。昼休みに迎えにいくよ。」
「了解!!……んん!?迎えに来なくてもいいよ!!?」
「それじゃあ俺、先に行ってるな?また後で。」
さっきの顔は演技だったのかと思うほど、爽やかな笑顔でしたが!?もうなんなのさ!!
騙された!!
(しかも、言うって約束しちゃったよ!!あーもう!!!!)
─*─*─*─
危ない危ない。
月一更新になりそうでした。
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