よんじゅうろく



そんなこんなで放課後。
今日は生徒会があるとか昨日颯斗くんが言っていた気がするので行ってみる。

戸を開くと会長が珍しく資料に目を通していた。




「こんにちはー…」


「おー…お!?星河!!?お前来んな!」


「え?」


「くひひひひっ…」




来んなって言われても…
もう、入っちゃってるんですが。
と、言う前に生徒会室に響く笑い声に身を固くした私は間違ってないと主張したい。

明らかにおかしいもんね。
二人しかいないはずなのに第三者の、しかも赤毛の変態ゴーグルだろうと思われる声が聞こえてくるなんて。
きっと幻聴…




「田中星河くんだね〜?…いや、星河ちゃんって言った方がいいかな〜?」




よし。無視だ。




「あ、あのな星河…俺がバラした訳じゃないからな?」


「…なんのことですか?それより一樹会長、今日の仕事ってなんですか?」


「、え?ああ…運動会の資料を、だな…」


「了解です。」


「無視!?無視なの!!?」




目の端にちらつく赤い物体は気にしない。




「星河ちゃーん…星河ちゃーん……星河ちゃーん?」




とは言っても…これは…
うるさい。




「一樹会長。」


「な、なんだ?」


「虫除けを買うには早い季節でしょうか?」


「虫除け!?」


「はい。さっきから蚊がうるさくて。」


「蚊扱いなの!?俺!?」




触らぬ変態に祟りなし
(虫だから無視ってこと!?)
(それ、上手くないですよ。ゴーグルさん。)
(やっと会話してくれたね!)
(……あ。やっちまった。)


─*─*─*─


桜士郎むずいよー





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