よんじゅうに
琥太にぃ何て呼ぶやつは私の中で、トリップする前の友達とゲーム内の双子ちゃんしか思いつかない。
え、何。
まだ夏もこんにちはしたばっかなのになんでいるのさ!?
いや、もしかしたら……
なんていう思いでそろりとカーテンの向こう側を見たら、もじゃもじゃしたメガネ野郎と目があった。
「馬鹿っ!!」
「どうした!?田中!?」
「………何でもないです。」
「琥太にぃ、何…この子?すごい失礼なんだけど。」
罵声を吐いて、掴んでたカーテンを体に巻きつける。
見なくてもわかるほど不機嫌そうな声を出すその人は、水嶋郁とかいう奴で。
会えたことには嬉しく感じるのだが、しかし。
心の準備というか…
そもそも、夏に来るなんて思わなかったしね!!
うん!そういうこと!!←
「…す、すみません!!学校で見た顔ではなかったものでつい。」
「カーテンにくるまりながら言う言葉じゃないよね?」
「ほら、田中。大丈夫だから出てこい。こいつは今度の秋に来る教育実習生なんだ。」
うん。知ってます。
だからね!私はこうして隠れているんですよ!!
わかりますか!?わかりませんよね!わかります!!
だからといって、出会い頭に馬鹿って言うのはないよねー…
私は渋々巻き戻り、顔を出すと眉間に皺を寄せたばかでかいお兄さんが腕をくんで立っていた。
「………馬鹿って言ってすみませんでした。」
軽く頭を下げてから見上げると小馬鹿にした表情でもじゃメガネは言った。
「うわあ。君ちっちゃいねー」
(きっと、彼の語尾には草がいっぱい生えていたに違いない。)
(トリップする前の私はきっとどうかしてたんだわ。)
(こんなヤツがカッコいいだなんて思ってたなんて、もう黒歴史!!)
─*─*─*─
今日は連投するよ!!
うん!!
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