じゅうなな




静寂の中、風だけがなっている。
それほど暖かくもない、むしろ少し肌寒くも感じる気温なのに、額を汗が伝う。





「図星………だろ?」


「……」





何も言えなくて、私は押し黙るしかなかった。





「…というか、星詠みで見たんだ。間違いないはずだ。」





これ以上黙るわけにもいかず、口を開こうとすると会長がいつの間にか近寄っていたらしく、頭を撫でられた。





「あ、の……」


「まあ、そんな顔すんなよ。誰にも言わねぇよこんなこと。それにな、俺は月子に女友達ができて非常に嬉しい!お前がどんな風にこの世界に来れたのかとか、そんなのはどうでもよくないんだが…まあ、どうすることもできないだろう?」


「はい…まあ、そうですね。」


「んなわけで、これからもよろしくな!星河って呼んでもいいか?いいよな。よし、そう呼ぶことにする!!」


「はい。ありがとうございます…」





会長の気遣いに涙腺が緩む。
ぽたぽたと地面に跡ができる。





「泣くなって。不安だったんだな…きっと。」





ぎゅっと優しく会長は抱きしめてくれて、更に涙が止まらなくなる。


私、不安だったのかな…?
嬉しいだけだと思ってたのに。

どっかで、帰りたいとか思ってたのかな……


色々な思うところがあって、思考を廻らす。




泣き止むまで会長は抱きしめていてくれた。
(………一樹会長?)
(彼が見ていたことを私はまだ知らない。)


―*―*―*―


見ていたのは彼ですよ!!

わかる人にはわかるはず…





[ 19/58 ]

*Back Next#







人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -