じゅうよん
あの後おされへあーの人ともなんとか和解して、いつのまにか許されていた。
というか、あれ?
なんで…
「なんでこうなったんですか俺。」
「どうしてだろうね星河ちゃん」
午前中の授業も終わって、朝のうちにお昼の約束していたつっこちゃんが急な用事ができてしまい一緒に食べれないのは残念だとは思ったけれど。
なにゆえに錫也とかおされへあーくんとか羊くんと食べねばならなくなった?
いや、まあ百歩譲って錫也はいいかもしれない。
でも、羊くんとおされへあーくんは私がいるのは嫌なんじゃないか…?
朝会ったばっかりの他人だし。
って、ん?
錫也今、ちゃんづけしなかったか?
錫也を勢いよく見ると、ニコニコと。
それはニコニコとしていらっしゃった。
「ごめん。東月くんちょっといいかな。」
「俺は構わないよ。」
「七海くん、土萌くんちょっと借りるね東月くん。」
「ん?ああ。先に食ってるぞー」
「ありがとう。」
錫也を連れて教室を出て、あまり人が通らないところで立ち止まる。
「あの…東月くんは俺が……」
「"女の子だってこと知ってる?"よ」
やっぱり、バレてたか。
はあ…ちゃんと気をつけなきゃダメだな私。
溜め息が自然と出てしまう。
自分がバカすぎて、もう。
「そんな落ち込むなって。星河ちゃんが女の子だってことは秘密にするから。あ、あと俺のこと東月じゃなくて錫也って呼んでよ。」
「うん…わかった。ありがとう。」
「星河ちゃんが気になってたのはそのことだろ?」
私は頷く。
「じゃあ、お昼食べる時間なくなっちゃうから行こうか。」
優しく微笑む錫也はエスパーだと思った。
(錫也に可愛いと思われてたことを私は知るよしもなかった。)
―*―*―*―
錫也のご飯が食べたい…
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