はち



屋上についた私は颯斗くん+αに事情を説明したはしたんだけども、二人ともちゃんとお昼を持ってきていてヤバイなって思いました。


うん。
私、お昼持ってきてないよね。

バカだよね。

あと、20分しかないのに。


深く溜め息を吐きながら、頭を抱えると心配そうな颯斗くんの声が聞こえた。





「あの…どうかしたんですか?」


「どうせ、飯忘れたとかだろ?俺の顔を潰しやがった罰だ罰!!」


「うぅ……」





犬飼くんの言ったことが図星で、何も言えない。

罰かどうかは置いといて。


すると、少し考えた様子の颯斗くんは優しく鉄仮面スマイルで嬉しいことを言ってくれた。





「田中さん。僕のお弁当少しおわけしましょうか?」


「青空がそんなことしてやる必要ねぇって。自業自得なんだからよー」





芝生は黙れ。←

こんなチャンスをみすみす逃してなるものか!!





「いいの…?」


「ええ。僕は構いませんが。」


「えー…マジかよー……」


「なんで、しばf…犬飼くんが嫌がってんのさ!!」


「癪なだけだよっ!!ってか、いま芝生って言いかけたよなぁあ!?」

「ナンノコトデスカー?」


「しらばっくれんな!!」


「ふふふ。二人とも面白いですね。」


「「面白くないよっ!!/ねぇよっ!!」」





息がぴたりとあって、犬飼くんと睨みあう。

それをみて、颯斗くんが更に笑う。


美人さんやなぁ(*´P`*)

ではなく。

これじゃあ、負のスパイラルだ。
デフレスパイラルだ!!

いや、これは関係ないや。





「犬飼くん。別にいいじゃないですか。僕は別に構いませんし。田中さんの食べる時間もなくなってしまいます。」


「そうだそうだ!!」


「…っ」


「それとも、犬飼くんが田中さんに分けてあげるんですか?優しいですね。犬飼くん。」





く、黒い。
黒いぞ颯斗くん!!

でもね!
そんなことを言わないで颯斗くん!!

もし。
もしも、ミジンコよりも小さな可能性で犬飼くんが分けてくれるなんてことあったら、颯斗くんからお弁当わけてくれないじゃn





「わあったよ。やりゃあいんだろ?だからそんな黒いオーラだすなって。」


「はて、なんのことでしょう?」


「…え。いいの………?」


「なんだよ。不服か??」





うん。めっちゃ不服。
でもそれよりも、意外だった。

まさか、分けてくれると思わなかった。


少し照れくさそうにお弁当を分けてくれた犬飼くんと、ふわりと鉄仮面じゃない優しい笑顔を浮かべる颯斗くんは、マジで命の恩人です。





きーんこーんかーんこーん
(うわっ!!ヤバい、次移動科目!!先に行ってるねー!ご飯ありがとう!!)
(なあ、青空?)
(はい)
(お前、田中の前だと普通に笑うな。)
(そうですか?)


―*―*―*―


犬飼くんファンの方すみませんでしたっ!!




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