「………」


「………」




い、息ができない…

颯斗君が寮まで送ってくれるのは、とても…いや、どんな言葉でも伝えきれないほど嬉しいのだけれど…

なんか、ほら、気まずいよね!

いましがた出会ったばかりの、(颯斗君にとっては)赤の他人な訳ですから。


私から話しかけようにも、口の中が乾きすぎて声が出せそうにない。


仲良くなるには、どうしたものか…




「…あの、田中さん?寮は此処ですよ?」


「ひっ!!……あ、ホントだ。」





着いちゃったよ、寮。
しかも、変な声出ちゃったし…

ああ、もう死ぬしかn((ry


一人頭を抱えていると、またもや彼の方からくすくすという笑い声が聞こえた。


くそぉうっ!美人過ぎる!!





「っ…田中さんは面白いですね。」


「あ、りがと、う…?」


「ふふ、そこでお礼はおかしいのでは?」


「あ、やっぱ?」





私も颯斗くんにつられて吹き出す。


なんだか、こそばゆい。




「女性を見て笑うなんて、本当にすみません。でも、僕、久しぶりにこんな大笑いしました。少し自分でも驚きましたが。」





それは、私も驚きました。

颯斗くん他人には心開かないのに、何で柔らかく笑うんだろうって。


彼は、すまなそうに俯いている。





「いやいや、気にしなくていいよ!!青空くんが笑ってくれるのは嬉しいから。」


「そうは言っても……」


「いいってことよ!笑うのはいいことだし!!あ、そういえば…青空くんのクラスって何科?」





このままだと、颯斗くんはずっと項を垂らしたままでいるだろうと思い、話をそらすついでに私の言いたいことを少しだけ砕いて言葉にした。


伝わってくれればいいな…

まあ、最後のは遊びに行っても良いかという探りだけどもw←





「僕は神話科です。田中さんは西洋占星術科ですよね?」


「うん!こんど遊びに来てね!!」


「はい。そうさせていただきます。僕の科にも是非来てください。友人を紹介しますよ。」





元の仮面スマイルでにっこりと颯斗くんはそう言った。





「では、いつの間にか日も暮れてしまいましたし。僕はお暇しますね。」


「あ、うん。…今日は送ってくれてありがとう!またね!!」


「はい。それでは。」





軽く会釈した後、颯斗くんはすぐに自分の寮へと歩を進めた。

その後ろ姿をみて、明日も会えたらいいなと願ってみる。







紫の空に散りばめられた宝石
(あ!もう、星が!!)



―*―*―*―


時間軸がわからぬ…orz




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