よん





…なんとか、一日はやり過ごせた。

すごい質問されたけどねー





…………それにしても、主要キャラと全く会わないな。

何?いじめなの?これ。

なんのためにクラスのみんなを振り切ってまで放課後の学校をふらふらしてるんだ、私…


廊下がほの暗くなりはじめ、もうそんな時間かと、思いながら階段をのぼっていると微かにピアノの音がしてきた。


もしかして―


淡い期待と、そんなはずはないだろうという相反する気持ちを胸に、音楽室のドアをあける。





「……っ!!」


「?…誰ですか!」





綺麗な旋律が止まり、さらさらな緩くウェーブがかかった桃色の髪を揺らし、ピアノの前に座っている彼の顔がこちらに向く。


うわっ…うわっ!!





「…どなた、ですか?見知らぬ顔ですが。」





キターー((゜∀゜))ーー!!





「っあ!すみませ…あの……今日2年の西洋占星術科に転入してきた田中星河ですっ!!突然入ってしまって申し訳ありませn」


「そんな気にしないでください。僕は青空颯斗です。……でも、女性が転校してくるのでしたら、うちの会長が騒ぎ立てそうなものですが…」


「きっと、突然決まったのでまだ教えられていなかったのでは…?」





や、やばい
今なら死ねる気がする…

死因がキュン死なんて――素敵!!←

なんて、バカな妄想はやめて颯斗君との会話をえんじょいせねば!

でも…
なんか違和感あるんだよなー


颯斗君はいつもの鉄仮面のような笑みを浮かべて、私に対応してくれてる。


やっぱり、笑顔か?…うーん……?





「ああ、なるほど。それなら知らなくても不思議じゃないですね。」


「あ、青空くん?」


「はい。なんでしょうか。」





笑顔について述べようか…
いやでも、初対面の人に言われたって、なんだコイツみたいなかんじになるよね……!?

ああ、音楽室に来ていいかも聞きたい…

ううぅーどうしよう。
名前呼んだ時点で考えとけよ私!!




「……っふ」

「…へ?」





私はうんうん唸っているのをやめて、颯斗君を見てみると、片手を口に当てて笑いを堪えているようだった。


……うわ、ほんとの笑顔だ。
可愛い!!





「すみません。あまりにも田中さんが表情を変えているものですから……」


「あ、いや。なんかすみません。」


「可愛らしかったですよ?あ、あと同学年なのに敬語はいりません。」





え、いや…は!?





「か、かわ…!?」


「ふふふ、面白い人ですね」


「うぅ…」


「もう外も暗いですし、女性一人というのも何ですから寮まで送りますね。」


「ぃや!!なんか…その、えーと…申し訳ないです……」


「いえいえ、気にしないでください。」





微笑む颯斗君は

王子様
(ああヤバい、死にそう)


―*―*―*―

やっと出せた…←

これからじゃんじゃん出せたらいーなぁ




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