____ お昼休み。
ウルキオラは4限目の授業の後片付けをしていた。 …と、そこに。
「ウルキオラ――!!」
「!有沢竜貴か。何か用か?」
たつきが話し掛けて来た。
「織姫が『みんなで心理テストしよ〜!』だってさ。んで、あんたを呼んでる。」
「…そうか。わかった。」
そう返事をし、たつきと一緒に織姫の席まで行く。
来てみるとそこには既に、一護、ルキア、恋次、石田、グリムジョー、そして織姫と、お馴染みのメンバーが揃っていた。
「あ!来た来た〜!!たつきちゃん、わざわざありがとね!」
「別に良いよ〜。んで、心理テストするって?」
「うん!!昨日新しく買ったんだ〜♪」
そう言いながら、人数分の紙を用意する織姫。
「心理テストか…。私はやったことがないからな!楽しみにしているぞ、井上!」
そう言って目をキラキラさせているルキアを尻目に、ウルキオラは一護の隣の椅子に腰掛けた。
グ「それで?どんな心理テストなんだよ?」
織「えっとね、…『9コのマスを書き、その中心に自分の名前を書いた後、その他のコマに自分の身の回りの人の名前を、コマの順番をランダムに関係なく、3分以内に書き入れよう!』…だって!」
ウ「…身の回りの人?」
石「つまり、誰か8人の名前を、…ということかな?」
織「うん、そうみたい。」
恋「じゃ、早速書くか!!」
そしてその恋次の言葉を合図に、皆書き始めた。
*****
織「…はい、3分!終了だよ〜!!」
ル「むう…意外と迷うものだな。楽勝だと思ったのだが……。」
一「だな。時間足りなくて全部埋めれなかったし。」
た「…で、これで何がわかるの?織姫。」
織「えっとね〜……。」
本の解説ページをパラパラとめくる織姫。
織「あ、あった……『どのコマにその人の名前を書いたかで、自分がその人のことをどう思っているかがわかっちゃうよ!!』…だって!」
ル「ほう!楽しそうだな!!1コマ目は何なのだ?」
身を乗り出すルキア。
織「えっとね…『自分がライバル意識を持っている人』…だって。」
「「「ライバル!!?」」」
皆一斉にそう言うと、自分の書いた紙を、バッ、と覗き込んだ。
恋「あ、俺[一護]って書いてる。少し当たってるかもなー。」
一「うーん、俺は微妙。[更木先輩]って、ちょっと有り得なくね?」
ル「私は……[浦原先生]!!!??何故!!?」
それぞれの解答を見ながら皆、あれこれコメントする。
ウ「俺は…[石田雨竜]。……勉強の成績か?」
石「………(なんで僕は[竜弦]と書いたんだ!?)」 一部、自分の書いた解答に疑問を持っている者も。
織「じゃあ、2コマ目にいくね!えっと………『どうでもいい人』。……?」
この解答には当て嵌まらなかったと思う者が大多数だったようで、
「いやーこれは当たってねーわー」
などと言いながらほとんどが首を横に振っている。
…しかし。
ウ「…[グリムジョー]、か…。うむ、しっかり当たっているな。」
しきりに首を縦に振っている者、約一名。
「存外、なかなか当たるものなのだな」
…などと呟きながら。
グ「ウルキオラァァァァア!!!!!!!!」
当然怒り狂うグリムジョー。 しかしそんな[どうでもいい人]をさらりと受け流し、織姫に次を促すウルキオラであった。
ウ「で、次はなんだ?井上織姫。」
織「あ、う、うん……;。えっと、次はね………;;」
未だ猛るグリムジョーを不憫に思う一同であった(ウルキオラ除く)。
***
た「……これで7コマ目が終わりだね。次で最後?」
織「うん!皆、最後はなんて書いたの?」
最後だから、ということで、事前に種明かしをしていく一同。
一「あー、俺そこタイムオーバーで書けてねーわ。」
恋「あ、俺も。」
ル「私は[兄様]と書いたようだな。」
た「……と、あたしは[織姫]、か〜。」
石「僕は……[マユリ先生]。え?なんで?」(自覚無し)
グ「俺は…、[藍染理事長]……て、身近じゃなくね!?」
各自自分の書いた解答に様々なコメントをする。
石「いやー、案外自分が何処に何書いたか覚えてないものなんだねー…」 しみじみと感想を述べる石田。
織「じゃあ言うね!最後のコマは………。…!!!」
何故か急に顔が真っ赤になっていく織姫。
た「織姫?どうしたの?」
たつきが心配して声をかける。
するとビクッと反応する織姫。
た「?」
織「あ、……えっと……………………/////」
ル「井上?」
織「…あ!!!いや、別に何でもないよ〜!!」
照れたようにテヘヘと笑う織姫。
…何か怪しい!!と思ったたつきは、織姫の持っている本をサッと取り上げた。
織「あ!!!ま、待っ……」
た「『最愛、または大切な人』!!!!!」
ル「おお!!大切な人か!確かに当たっているな!」 ルキアが喜びの声を上げた。
…と、そこで。
た「…織姫〜、あんたなんて書いたの〜??」
少し楽しそうにしながら織姫に質問するたつき。
織「え!!!え、い、いや、その、あたしは……!!!」
あたふたと再び顔を真っ赤にして慌て出す織姫。
「……………。」
たつきは織姫の解答用紙をサッと取り上げ、瞬時に目を通した。
織「!!なっ、たっ、たつきちゃ…!!!」
た「!!!織姫、あんた……!!!!!」
織「…〜〜〜〜〜〜っ/////!!!!!」
慌てて席をたち、織姫は脱兎の如く廊下へと走り出た。
ダダダダダダダタ…………
「「「「「「………??」」」」」」
…全く状況の掴めていない6人。
唯一この状況が理解できているたつきは、少し微笑んでいるようだ。
グ「……おい有沢。井上はなんて書いてたんだ?」
グリムジョーが質問する。
た「……はい。」
そう言ってペラリと紙を一同に渡すたつき。
「「「「「「…!!!!!」」」」」」
た「…んじゃ、あたしは織姫探しに行くから〜。」
そう言って手をヒラヒラと振りながら、たつきも廊下に出ていった。
パタパタパタパタ…。
―――織姫の解答用紙の9コマ目には。
こう書かれていた。
[ウルキオラ・シファー]
―――――そして自分の解答用紙の9コマ目………、[井上織姫]という名前をまじまじと見ながら。
「………やはり、よく当たっているものだな。」
ウルキオラは、一人呟いた。
――――ちなみにその頃、自分の9コマ目の解答を必死に全面否定している石田とグリムジョーがいた、とか。
fin
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