【今再度心求める】


賑わいた部屋はもう遠く感じる。さっきまであんなに楽しい時間だったのに。



今は笑うことさえ許される筈もない。

















静寂の中二人が揺れる。闇夜の部屋に響くは二人の声のみ。



以前とは大人びた躯は互いの躯を引きつけ、引き寄せられていた。



























「いや・・・っ、はなして・・・。」





「いくら拒絶しようが放さん。」





「や・・・っ、・・・っあ!」









しなやかに流れ落ちる髪は発色のない白い指に絡まれ逃げられないということを悟らせる。



部屋のベッドに座っているウルキオラの足の上に乗る織姫。あの賑わう部屋へ逃げ戻ろうと足を後退させて退こうとするも逃がさないばかりに纏わり付くウルキオラの手。





この部屋に入った時点でこうなると確信され、独占欲という鎖で拘束されていた。









「ただでさえお前だけを手にした心で未だ求め続けているというのにな。お前は俺を求めはしないんだな。」 

 

 

「・・・っ、わかん・・・ない・・・よ・・・っっ。」





「解らないなら教える。心は在処を教えられた者を求める。例えお前の在処を教えていなくとも永遠に時間を追うごとに求める。」













織姫の髪を絡めた手を退かし耳元に顔を寄せる。





嫌悪感が激しくなりウルキオラの肩を強く揺さぶった。

















「嫌ッ!嫌ッ!嫌ぁッ!!」





「以前のお前はここまで抵抗しなかったんだがな。」











耳を赤い舌が一舐め上下すれば震え上がり、激しい抵抗は躯を委ねるように静かになった。



髪を絡ませていない手で織姫の手を甲から絡ませ、その手でウルキオラ自身の顔に触れさせた。手を上下に撫でさせれば耳に息を当て、強い快楽へと誘う。















「やっ・・・もう・・・やだよ・・・。」















躯を勢いよく後ろへ反らすと躯が離れた。これを期とし、逃さず部屋から撤退しようとした。











 

 

 

 

 

 

 

 

「逃さんと聞き分けの悪い女だ。」





「ひゃ・・・っ!」











短い丈のスカートからはみ出した細い足を掴まれ、乱暴に引きずられる。





体勢が変わり、

ウルキオラは後ろへベッドに沈み、織姫は倒れ覆いかぶさる。また逃げられない。もう逃げられない。





















「そんな格好のお前を他の男の眼には入れさせない。今のお前は俺が独占可能の特権だ。」





「なっ・・・!?」













零れる足に触れると冷めた感触。



















「お前を見つめていたのはこの部屋に連れ出す為。奴等と話をさせたのは笑っている時間を創らせていたからだ。」















これからの予測をさせる。





微かに開いている唇の中にウルキオラの一本の指が徘徊する。抜いた指に纏わり付いた液を膨らんだ下唇に塗りつける。











顎の下を持ち、自分の顔へと近づかせ碧の双眸で怯える姫君を映す。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「心在るが故に

お前の全てを欲する。」





















心を教えてくれた

その心を欲しいと願うことを





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