*『生涯君に恋をする』の続き


「…いいだろう?抱いても。」



俺の一言で甘い雰囲気はがらりと変わる。
でもあのような雰囲気でセックスをしないのは夫…というより男として有り得ない。しかし織姫は何を言ってるんだと言いたいような顔をしているからどうやら乗り気でないらしい。
直ぐ様織姫は警戒心から俺と距離を取り手を振りながら苦笑する。


「こっ興奮って…!まずお風呂とか済まそうよ。あ、もうご飯出来てるんだよ!準備して……ひゃあ!」
「まずお前を食べたい。」


そそくさとキッチンへ戻ろうとした愛しい妻の手を掴み、後ろから抱き締め首筋を嘗め上げる。待ってと抵抗する手を俺はひとまとめにし、耳を甘噛みする。



「…っあ!」
「お前は相変わらず耳が弱い…」



耳朶に軽いキスを贈りながら口を徐々に下げていく。その間俺は空いた手で服の上から豊満な胸を揉みしだく。そうすれば織姫から甲高い声が上がり俺はほくそ笑みを浮かべる。強弱をつけ形を確認するかのように堪能すればだんだん織姫の息が上がり甘さを増していく。



「はあ…っんん、ああ…っ」
「なんだ物足りないか?」



なら、と脇腹から手を入れ直に肌に触れる。
Tシャツだったのが幸いして難なく上へと着いた俺の手はまずブラのホックを外し、そして直に胸に触れた。服の上からでは味わえなかった弾力に俺は懲りずに興奮する。そして先程から徐々に主張し始めていた先端を指で弄る。


「ひゃあ!やあ、やめっ…」



ぐりぐりと先端を捏ねれば気持ち良さそうな声を上げる。



「強くしたほうが感じるなんて…やっぱりやらしいな。」
「やだ…そんなこと…いわ、ないで…っああ!」
「今のままじゃ舌で弄ってやれない…服、脱げるか?」



もう抵抗されることはない。抵抗できないくらい織姫は大分快感に酔っている。それほどのことをしてる訳ではないのに、織姫は感度が良すぎるためにほんのおさわりで感じてしまう。



「ん…ぬ、脱いだよ…?」
「なんだ、上だけか?」
「だってここ玄関だも…」



続きは俺が接吻を送ったために途切れてしまう。先程の後ろから抱き締めた体勢では接吻がしにくかったために、今はその分を補うくらいの荒々しい接吻をする。舌を絡めて深く深く繋ぎ合わせる。織姫も俺に応えようと何度もずらしながら接吻をした。
柔らかい唇から離れ、今度は今まで弄っていた赤く熟れた先端を口に含む。
コロコロと舌で嘗めたり吸ったりしながら織姫を絶頂へと追いやる。片方は口で片方は手で弄られれば限界はもはや目の前だ。


「あ、あああっ、も…だめ…っ」
「一度イッていい。」
「あっあっあっ…、あああああああっ!」


最後の人押しに先端を強めに噛んでやれば織姫は今までにない声をあられなく出し、絶頂を迎えた。今まで立っていたのだが絶頂を迎えたためにがくんと膝の力が抜けて俺に倒れ込む。俺は織姫の身体を抱き込み肩に頭を乗せてやる。すると俺の耳元で息を切らす音がとても淫靡で率直に聴こえてくるために俺の雄がむくむくとより主張し出す。

(そろそろ俺も我慢できないな…)

大分息を整えた織姫を見てよし本番だと手を下部へ伸ばそうとした瞬間、がしっと腕を掴まれる。俯いていた顔が上がり、その瞳には怒りのオーラが目に見えた。



「は、あ、だ…から、いやだって…いったのに…!」
「しょうがないだろ…それにお前、十分感じて…」
「……バカっ!!!もうしばらくおさわり禁止!すぐどこでもがっつくなんて嫌いっ」
「っえ、」



「一週間!別々に寝るから!」


ご飯ももう用意してるし、勝手に食べて!私はお風呂に入るから!



織姫の怒りは頂点に達したらしい。
俺に残酷な捨て台詞を残し、織姫はバスルームへ向かう。


…どうやら玄関でヤろうとしたのが相当怒りを買ったようだ。


そして、高ぶった自身をどうすればいいのか。

少しやり過ぎてしまったなあと自分の過ちを今更ながら後悔した。





愛しすぎは程々に



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