この熱は貴方のせいです!!
「………。」
「………。」
「……何故 俺と距離をとる 女…。」
「えっ!!…そんなことないですよ」
ウルキオラと織姫の間には距離が存在していた。
織姫のいる部屋に、ウルキオラがいつものように入ると、ソファに座っていた織姫が扉に振り返り、ソファから立ち上がると入ってくるウルキオラと距離をとった。
いつもなら駆け寄ってくる織姫に距離をとられ、僅かに驚くウルキオラ。
「…何があった。」
「な…何もないですよ!」
明らかに挙動不審に正面はウルキオラに向け後ろに下がる織姫。
そして、歩みを織姫へに進めるウルキオラ。
「ウ…ウルキオラさん。それ以上は、近づかないでください!」
「……っ!!」
織姫の言葉にショックを受け、歩みを止めるウルキオラ。
言葉も無く、瞳にを見開いたまま固まるウルキオラに焦る織姫。
「え…えっと…。そうだ!わたし風邪気味なので、近づいたらウルキオラさんに移ってしまいますので」
「……なんだと?」
固まっていたウルキオラは、その織姫の言葉に驚き、織姫へ再び足を進める。
「えっ!!なんで、また近づいてくるんですか!」
「お前は、風邪を引いたと言ったな…。確認してやる」
「か…確認なんていいですよ!!」
「俺は、お前の体調管理も任されている」
織姫の背中が、壁に着いた。
「ほんとに大丈夫ですから!!」
近づいてくるウルキオラに両手を突き出す織姫。
その瞬間ウルキオラの姿が織姫の目の前から消えた。
「…えっ…?」
ブンッ
音に気づいたときには、目の前にウルキオラの姿が…。
驚く織姫を余所に、織姫の前髪を右手で上に上げ、織姫おでこに己の同じものをくっ付けるウルキオラ。
「ひゃっ!!ウ…ウルキオラさん///」
「……確かに、いつもより熱いな…。少し待っていろ。薬を持ってくる。」
「えっ!?ちょ…ウルキオラさん!!!」
織姫が呼び止める前に、ウルキオラは織姫の目の前からあっという間に消えてしまい、扉の開く音が聞こえ、扉は閉まった。
(この熱は風邪の熱ではなくて…貴方にです………。)
あとがき[→#]