それは立派な“感情”です
女…井上織姫をこの虚夜宮に連れてきてから暫くが経った。
初めの頃は、常に毅然とした態度を俺に向けていたが、最近の女は、何故かはわからんが態度が変わってきた。
俺が女の部屋に入れば、女は振り返り、嬉しそうに俺に笑いかける。
女から俺に話しかけることも増えた。
部屋から、俺が出ようとすると、途端に女は寂しそうな…辛そうな顔に変わる。
部屋を出るため扉を開けると、女からは
『行ってらっしゃい。』
…と声を背中にかけられる。
何故女は変わったんだ?
わからん…。
だが…
俺は…女からそうされる事に嫌な気分等にははならなかった。
寧ろ女の
ころころと変わる表情
楽しそうに語りかける言葉
俺は…女のその姿を見ることを…
もっと見ていたいなどと望むようになった。
俺は…女に感化されたのか?
俺には、こんな『モノ』など不要な『モノ』だ…。
藍染様の道具である俺には、要らぬ考えの『モノ』だ…。
俺が…
こんな事など…
こんな…
人間のような事を思うなど…っ!!
部屋に入った途端に見せた、女の笑顔で俺の名を呼ぶ姿に、俺の考えていた無駄だと考えていた事など頭から消えていた…。
thanks:Smile! :-)