言葉にして伝えることなど許されないから


わたしを導くようにウルキオラさんは、わたしの前をゆっくりと歩いている。



距離は初めの時よりも近くなったと思うけど、なかなかウルキオラさんとの距離をわたしは0にできない…



ウルキオラさんとわたしの距離は、わたしが近づこうと思えば簡単に追いつける距離を一定に保っている…





わたしが、ウルキオラさんの距離を0にしてしまったら、きっとわたしは、隠す事ができないウルキオラさんへの想いが顔にでてしまいそうで不安になってしまう。


自分では隠しているつもりでも、わたしは直ぐに顔にでると前に友達に言われた。





わたし自身こんな敵しかいないこの場所で…

敵である彼に…

ウルキオラさんに、こんな感情を抱くとは思っていなかった…。





此処でのわたしの生活には、毎日わたしの側にはウルキオラさんがいてくれて、彼がいないと不安を感じてしまうようにまでなってしまった。



ちょっとしたウルキオラさんのわたしを気にかけてくれる優しさが嬉しくて…


幸せで…





このまま一緒にいられたら…。そう思ってしまってはいけない相手であるのに…

それを望んでしまうわたしがいる。






ウルキオラさんに伝える事など、許されないこの気持ち。










だからわたしは

言えない代わりに…

言葉にできない代わりに…


わたしは前を歩くウルキオラさんの裾にそっと、手を伸ばした…―ー








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