繋いだ手
※学パロ
学校が終わり、織姫と俺は帰り道を歩いていた。
「ウルキオラ…。手…繋いでもいい?」
不意に俺の隣を歩く織姫が、俺を首を傾げながら見上げ聞いてきた。
「別に、いいが…」
断る理由など、ない。
俺は、ポケットから手を出し、織姫に向けた。
「ありがとう!」
俺の出した手を、織姫は嬉しそうにギュッと自分の手と俺の手を繋いだ。
俺と繋いだ手を見つめながら織姫は、嬉しそうに微笑んでいる。
何故手を繋いだだけでそのような顔ができるのか…。
「何故…嬉しそうな顔をしている?」
俺は、気になり織姫に問いかけた。
「だって、隣で歩いているよりも、手を繋いだほうがウルキオラを近くで感じる事ができるし…ウルキオラの手が温かくて嬉しいの!」
織姫は、満面の微笑みを浮かべて俺を見つめ答えた。
「それに…虚夜宮で触ったウルキオラの手は…冷たかったし…。」
後から織姫は淋しそうに俯いた。
俺自身では解らなかったが、織姫にとって、俺の手は冷たかったらしい。
…だが、今此処で生きる俺の手には、己で解るほどの温かさがある。
此の場所で、俺は…今織姫と生きている。
織姫と俺を繋ぐ手を見つめ、俺からも織姫の手をゆっくりと繋いだ。
織姫が、驚いたように俺を見上げた。
「え!?ウ…ウルキオラ?」
「確かに、手を繋ぐとお前の存在がすぐ近くにあると実感できるな。」
繋いだ手を離さぬように、永遠に繋いでいたいと俺は願った。