不意に呟かれた言葉
※学パロ
「すまない 織姫…今日は、生徒会の会議で遅くなる。先に帰っていろ。」
「え…。」
織姫は、ウルキオラの言葉に驚きと悲しみ顔で、ウルキオラを見上げた。
「だ…大丈夫だよ!私、教室でウルキオラのこと待ってるよ!」
「しかし…」
いつもと同じように、織姫と一緒に帰りたいと思っていたウルキオラにとっては、織姫の言葉はとても嬉しいのだが、教室に一人織姫を残しておくには…と悩むウルキオラ。
「大丈夫だよ!それに…ウルキオラと一緒に…帰りたいし…///」
「そうか…。すまない」
「ううん!生徒会のお仕事頑張ってね!」
ウルキオラは、申し訳なさそうに織姫を見つめた後、織姫を一人教室に残し、生徒会室へ向かった。
「ウルキオラが戻って来るまで、何していようかな…。そうだ!宿題やっちゃおう♪」
ガサゴソ
鞄の中からプリントを取り出し、織姫は宿題を始めた。
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生徒会の会議の内容など、ウルキオラの頭には入らず、教室で一人ウルキオラのことを待ち続ける織姫の事でいっぱいだった。
一刻も早く終わる事を祈りながらも、会議は長引きなかなか終わらず、夕日が沈みはじめた頃に終わった…。
終わった瞬間に、ウルキオラは席を一番に立ち上がり少し早歩きで出て行った。
ガラッ…
「織姫 待たせてすまな…」
織姫のいる教室に戻った瞬間に、ウルキオラの眼に入ったのは、沈みゆく夕日の光を浴びながら、机に腕を枕にし横向きに眠っている織姫だった。
ウルキオラは、静かにドアを閉めて、織姫のもとへ歩き出した。
「…眠ってしまったのか?」
ウルキオラが織姫の机にたどり着き、眠る織姫の顔に掛かる髪を耳に掛け、声をかけても幸せそうに眠り続けている織姫。
(俺が、遅くなり眠ってしまったのはわかるが……無防備すぎる…。)
もう日も沈み、夜に変わろうとしている。
幸せそうに眠る織姫を起こすのは、悪い気がするが、起こさなければと織姫の右肩に手を乗せ、織姫の肩を揺らすウルキオラ。
「織姫 帰るぞ。」
「…ぅ…ん…ウルキオラ…」
起きたか、と安心し手を織姫の肩から離すウルキオラ。
しかし、織姫の瞳は開かないまま…
「好き…」
…と僅かに微笑みながら呟いた。
ウルキオラの中で、何かが切れる音がした。
ウルキオラは、いまだに眠る織姫の顔に顔を近づけ口づけをし、僅かに開く織姫の口に舌を差し込む。
「…ぅん……んっ?!!!」
織姫は、驚き目を開いた。
織姫が起きたのを確認すると、ゆっくりと塞いだ唇と舌を離すウルキオラ。
「な…!?何をするの!ウルキオラ///」
「お前が…起きないのが悪い。」
「だ…だからって…///」
すっかり目が覚めた織姫は、真っ赤な顔でウルキオラを見上げた。
「それに…夢の中で言うな。」
「え?なんのこと?」
「教えん。暗くなる 帰るぞ。」
そう言うと、ウルキオラは織姫の鞄を掴み歩き出した。
「え!?ま…待って、ウルキオラ!わたし何か言ってたの?」
ウルキオラの後ろ姿を追いながら、織姫は走り出した…。
ウルキオラに追いついた織姫は、そっとウルキオラの横に並び自分の鞄を取り手を繋いだ。
「織姫…。」
「うん?なぁに?」
「俺の帰りを待つのは、いいが 寝るなよ。」
「なんで?」
「学校にあまり人が残っていないとしても、無防備だ。」
「?」
「次にそんなことがあったら…学校といえ、覚悟しとおけ。」