偽りの空を見上げた
「うわぁ〜!!!すごいです!青空です!!」
織姫は青空を見上げて、はしゃいでいた。
部屋にずっといる織姫の息抜きにと、ウルキオラが織姫を部屋から連れ出し、外ではなく、ある部屋に作られた本物のような空が広がる部屋に連れてきた。
「こんなところがあったんですね♪」
「あぁ」
久しぶりに見た青空に織姫は、嬉しそうに空を見上げている。
「部屋なのに空があるなんてすごいですね!」
「藍染様が作られた」
部屋には果てが無いほどの広い空と大地が広がっている。
「…あれ?」
織姫は突然不思議そうに、空をキョロキョロと見渡しだした。
「どうした?」
「いえ…。綺麗な青空なんですけど…太陽が無いなと思いまして…」
広がる空の上には太陽が無かった。
「太陽など無くとも、空は創れるのだろう」
「そう…ですか。」
ちょっと織姫はガッカリしたような顔をしていた。
「…お前は太陽が欲しいのか」
「えっ!!?」
突然のウルキオラの言葉に驚く織姫。
「太陽が無いからお前はそのような顔をしているのだろう?」
「そ…そう言うわけでは…」
「違うのか」
ウルキオラの言葉に返答に戸惑う織姫。
「太陽など…お前がいるなら要らないだろう」
「…え?」
「お前の存在が、此処での太陽だ」
ウルキオラの織姫を見る真っ直ぐな瞳に織姫は戸惑っていた。
「そ…そんなこと…」
「俺はお前を初めて見たときにそう感じた」
「え…?!」
「太陽はお前だ。お前以外の太陽等俺は要らんと思うがな」
(偽りの空の上に太陽は無くとも、太陽は目の前に…)
thanks:空想アリア