風邪に気をつけましょう
※現世パロ
「ウルキオラ大丈夫?」
「…。」
織姫は横になっているウルキオラのおでこにのせていたタオルを取り、氷と水が入った大きめのプラスチックの容器に入れ、浸け、絞り再びウルキオラのおでこにのせた。
そして、不安げな表情でウルキオラを見つめた。
「もんだい…ない」
「でも…熱…下がらないね」
ウルキオラはなんと風邪を引いてしまったのだ。
「だい…じょうぶだ。しんぱいするな」
普段のウルキオラからは考えられないように汗をかいており、熱があるせいか、ほんのり頬が普段よりも赤く、苦しそうに見える。
そんなウルキオラの汗をタオルで拭き取る織姫。
「こんなときこそ…甘えてくれてもいいんだよウルキオラ」
「…」
視線だけ織姫を見つめるウルキオラ。
「あ!こんな時間!!ちょっとお昼の準備するね。
ウルキオラ何か食べたい物ある?」
「いらん…」
「そんなこといっちゃダメだよ!風邪を引いてる時こそ食べて栄養つけなくちゃ!お粥なら大丈夫?」
「…あぁ。それなら…たべれそうだ」
「わかった♪お粥なら失敗しないから大丈夫だよ!待っててね」
ウルキオラの温かい頬に触れ、織姫は微笑み、パタパタとキッチンへ向かって行った。
織姫がキッチンに向かったのを確認して、ウルキオラは瞳を閉じた。
「ウルキオラ出来たよ…あれ?寝ちゃったかな」
出来上がったお粥をお盆に乗せウルキオラの元に行くと、ウルキオラは瞳を閉じている。
眠るウルキオラの横に腰を下ろし、座る織姫。
そっと手を伸ばしウルキオラの頬に触れる。
(う〜ん。さっきとあんまり温かさが変わらないかな?)
織姫がウルキオラの頬に触れていると、ウルキオラがゆっくりと瞳を開いた。
「できた…のか」
「うん!自信作のお粥だよ!ウルキオラ起き上がれる?」
「あぁ…」
織姫がウルキオラのおでこの上にのせていたタオルを取ると、ウルキオラが上半身を起こそうとした。
一人では辛そうに見えた織姫は、上半身を起こすウルキオラに手を添え手伝った。
「ちょっと待ってね」
フゥー フゥー
フゥー フゥー
「はい!ウルキオラあ〜ん♪」
「…」
「あれ?ウルキオラ?」
ウルキオラは眼を開き驚いたように固まっていた。
「…じぶんでくえる」
「気にしないで!はい♪ウルキオラ」
ウルキオラは断ったが、織姫はニコニコしながら相変わらずお粥ののったスプーンをウルキオラに向けている。
「………」
織姫の笑顔に負けたウルキオラがゆっくりと口を開けると、織姫がスプーンをウルキオラの口に入れた。
「味どうかな?」
「…もんだいない。」
「良かった♪お粥はお兄ちゃんから教えてもらったから自信があったんだよ」
その後も織姫にお粥を食べさせてもらい、ウルキオラは見事に完食。
「はい。薬だよ」
ウルキオラは織姫から渡された薬と水を飲み込んだ。
「薬飲んだし、寝た方がいいよね。わたしはちょっと…」
そう言いながら、ウルキオラから離れようと立ち上がった織姫だったが…
ウルキオラに服を掴まれ止まった。
「うん?どうしたの?」
「…いくな」
織姫を引き止めるウルキオラ。
「でも…」
「いくな」
掴んだ服を離さないウルキオラ。
「じゃあ、ウルキオラが寝るまでいてあげるね」
「…」
立ち上がっていた織姫だったが、再び腰をウルキオラの隣に下ろした。
そして、服を掴まれていたウルキオラの手を取り、手を重ねた。
「…なぜ…てをかさねる?」
「手を重ねたほうがウルキオラが安心するかな?って思って…嫌だった?」
「いや…そんなことはない」
「良かった♪早く元気になってね」
「…あぁ」
いつの間にか寝ていたウルキオラが目を覚ますと、身体のダルさや熱が無くなっていた。
右手に温かい温もりを感じ、視線を向けるとウルキオラの手に手を重ねたまま織姫が眠っていた。
そんな織姫の頭を撫で
「ありがとう 織姫」
と小さな声で呟いた。