触れさせることすら許さない


※学パロ












一日の授業が終わり、ウルキオラは鞄を掴み織姫の席に向かい足早に歩き出した。



「織姫 帰るぞ。」


「うん!帰…」


嬉しそうにウルキオラに微笑み、ゆっくりと席を立とうと織姫がしたが…


「あー!!!!」


ガタン


「五月蝿いぞ。」


織姫は急に叫び声をあげ、勢いよく席から立ち上がった。



「ご…ごめんねウルキオラ。わたし図書室に今日までに返さないといけない本があったんだ!」


慌てて鞄の中をガサガサと探る織姫。


やっと鞄から本を見つけ出し、鞄から本だけを引っ張り出した。



「…そんなこと「ちょっと、わたしすぐに返して来るからウルキオラ教室で待ってね!!」


バタバタ…



織姫はウルキオラの言葉を遮り本だけを片手に持ち、走り出して行ってしまった。










(ウルキオラ待たせたら悪いし、早く返して来なくちゃ!!)



(相変わらず騒がしい女だ…)
織姫の出で行った後ろ姿を見つめ、僅かにウルキオラは微笑んだ。











――――――――――――――――



(…え〜と、確かこの辺の本棚のはず……)

本棚に本を返すために、棚を探して上を見つめフラフラとする織姫。

じつは、この本は織姫では無く、織姫の親友である有沢たつきが始め借りていた本だった。
たつきから面白いと勧められ織姫がたつきの後に読み、図書室に返しておくと言っていた。



(…あ!あそこだ!!)


…と見つけた場所は織姫が手を伸ばしてもギリギリ届かない場所だった。

辺りを見渡し、台を探して見るが近くには見当たらず…
ウルキオラを待たせているため、早く本をしまいたいと思った織姫は「う〜ん…」背伸びをしながら本を戻そうと頑張る。




しかし
やはり届かず、諦め台探そうと考え、手を下げようとしたとき…


ふっと後ろから手が伸びてきて、織姫の仕舞おうとしていた本を取り本を奥までしまってくれた。


帰りが遅く、教室から迎えに来てくれたウルキオラだと思い、後ろを振り向きなが笑顔で声を掛ける織姫。



「あ…ありがとう!ウル…」



だか、後ろにいたのはウルキオラではなく…

(誰だろう?)


織姫の知らない人物だった。











―――――――――――――――――



(…遅い)


直ぐに戻ると言った織姫が教室を出て15分経っていた。



(やはり直ぐに追いかけ、ついて行くべきだったか?)


後から後悔するウルキオラ。


(…迎えに行くか)


座っていた席から立ち上がり自分の鞄と織姫の鞄を手に取りウルキオラは足早に教室を出た…。








――――――――――――――――――



「本を入れてくれて、ありがとうございます!手が届かなかったから、すごく助かりました。」


本を入れてくれた男子は、織姫の知らない人物だが手伝ってもらった感謝の言葉を織姫は男子に述べ、笑顔で微笑んだ。



「ううん。どう致しまして。」

「で…でわ、わたしはこれで…」



ウルキオラが待っている。




早く教室に戻らなければと、織姫は男子に背を向け歩き出そうとしたが、歩き出した瞬間に手首を掴まれ歩き出した足は止まった…。








「あ…あの…?」

手首を離してくれない男子に不安になりながらも声を掛ける織姫。


「…いきなりで悪いんだけど、ずっと……ずっと、君を見ていた。す…好きなんだ…」


急の告白に驚く織姫。



「…いつも、君は友達といるみたいで、声が掛けられなかったんだ…。」

「もし、付き合っている人がいないなら…「その手を離せ」


「え?ウルキオラっ!」




急に男子の声を遮りウルキオラが図書室に現れた。


教室で待っているはずのウルキオラが目の前に現れ驚く織姫。



「ど…どうして、此処にウルキオラが…?」


「お前の帰りが遅いから迎えに来た。
…貴様聞こえなかったのか、女の手を離せ」



織姫の問いに答えながらも明らかな不機嫌なオーラを漂わせ、織姫と男のもとへ近づくウルキオラ。



呆気にとられていた男子だったが、二度目のウルキオラの言葉にハッとなり織姫の手首から手を離した。



ウルキオラは織姫の手に本が無いことを確認すると、織姫の手首を掴み「帰るぞ 織姫」と言いウルキオラは男子から織姫を引き離し歩き出した。




急の展開に驚いていた男子だったが…


「二人は付き合っているんですか!?」



離れて行く織姫と現れた男の背中に声を掛けた。


ウルキオラはその問いに僅かに振り向き

「…そうだ。」


一言うと足早に織姫を引っ張り図書室を出で行った。



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