夜の訪問
…コンコン……。
「ウ…ウルキオラさん…起きて…ますか?」
織姫はウルキオラの部屋の扉の前に立ち、ウルキオラを呼ぶが、中から返事は返ってこない。
いつもだったら織姫は寝ている時間帯。
眼が覚めてしまった織姫は、つい霊圧を探りウルキオラの部屋に来たが、ウルキオラも既に眠ってしまったようだ。
(ウルキオラさん寝ちゃったんだ…)
ウルキオラはもう寝てしまっている。
しかし、織姫はこのまま部屋に戻りたくなどなく…勇気を出しゆっくりとウルキオラの部屋の扉を開けた……。
部屋の中になるべく音をたてずに、ゆっくりと織姫が入ると、織姫の部屋と同じく綺麗な月の光が部屋の上から差し込んみ真っ暗な部屋に僅かな光が照らす。
置いてある家具は織姫の部屋と同じだが、織姫の部屋とは違い広い部屋。
織姫がキョロキョロと初めて入ったウルキオラの部屋を見渡しながら、歩いて回りを見るがウルキオラの姿がない。
(あれ…?ウルキオラさん…部屋にいない?)
ガッカリとし部屋から出ようとした織姫だったが、入ってきた扉とは違う扉があるのに気がついた。
(もしかして…この部屋の先にいるのかな?)
扉の前に立ちドキドキしながらゆっくりと織姫が扉を開けると……
ウルキオラがいた。
この部屋は寝室らしくベッドがあり、ウルキオラは眠っているようだ。
(わたしの部屋にはベッドが無くて、ソファで寝てるのにウルキオラさんの部屋にはベッドがあるんだ!)
ゆっくりと織姫はウルキオラの眠るベッドに近づいた。
ベッドに近づいた織姫は、寝てるウルキオラに顔を近づけ覗きこんだ。
(ウルキオラさんの寝ている顔初めて…可愛い//)
寝ているウルキオラの眉間に織姫は人差し指でツンっと触れた瞬間……
ガシッ
「へっ…?!!」
ウルキオラに触れていた手首を寝ていたはずのウルキオラに捕まれ、上からウルキオラを見ていた織姫の視界は反転し、織姫の上にウルキオラが乗っている……
「まさかお前から俺を襲いに部屋に来るとはな…織姫」
ウルキオラ低い声と真っ直ぐな瞳にビクッとする織姫。
「お…襲いっ!!?ち…違いますよっ!!」
「ほぅ…。俺が寝ているのに部屋に入り込み寝ている俺に触れ、違うと言うのか?」
ウルキオラの顔が織姫に近づいてくる。
「そ…そんなつもりじゃなくてですね…目が覚めちゃったので、ウルキオラさんが起きているならお話でもと思ってっ!!」
「…だがお前は俺が寝ているにも関わらず、部屋に入って来たな」
「!!?」
ウルキオラは織姫が部屋に入って来てから、織姫の気配を感じ起きていたが、しらぬふりをし寝ているフリをしていたのだ。
「なっ!!ウルキオラさん起きて…?!!」
まさか部屋に入って来たときから気づかれていたことに驚く織姫。
「まさかお前から俺の元に来るとは思わなかったが…手間が省けたな」
「へ?手間って…」
「自ら俺の部屋に入って来たんだ。覚悟は出来ているのだろう」
「か…覚悟っ!!?」
「安心しろ目が覚めたならば、俺が寝かせてヤる。」
「え?!!ちょ…っ!?ウルキオラさん待ってください!!!」
「悪いが来たのはお前からだ。待つ気などない」
そして、織姫はウルキオラの手によって疲れ、脱力し白い世界に意識を失った。