その手に色など必要ない
「あ!見つけた♪ウルキオラさん!ウルキオラさん!!」
廊下を歩いていると後ろから織姫の声が聴こえ、俺は歩いていた足を止め織姫に振り返った。
「どうした?」
えへへと嬉しそうに笑いながら俺を見上げジャーンと両手を俺に見せた。
「見てくださいウルキオラさん!さっきロリちゃんに塗ってもらったんですよ♪」
織姫が嬉しそうに見せたのは、手の爪だった。
普段なら綺麗なピンク色をしていた織姫の爪は、黒く塗られていた。
「これで、ウルキオラさんとお揃いですよ!」
確かに俺と同じだ…
「…そうだな。」
俺と同じにしたかった気持ちは嬉しい…嬉しいのだか…
明らかに織姫の綺麗な爪には似合わない。
「あれ?微妙でしたか?」
俺の顔を窺いながら織姫は不安そうな顔をしてた。
「織姫…お前が俺の爪と同じにしたのは嬉しい…だが…」
俺は織姫の右手を下から掴み
その手を寄せた。
「お前の綺麗な手は、色など塗らない方が俺は好きだ。」
織姫の手を見つめながら呟くと織姫の顔は真っ赤に染まっていた。
「わ…わかりました//
ウルキオラさんがそう言ってくれるなら、せっかくロリちゃんに塗って貰いましたが落とします///」
「あぁ…。そうしろ 俺が落としてやる」
(お前の爪に色など必要ない。)