ポーカーフェイス!パッカくん





「えー。この度の補強で我らがチームの一員になりました。」

その威圧感は只の河童の域には留まらず

その真っ黒な瞳は何を見据えているのか分からない

「パッカくんです」






「何でだよ!!」

選手一同を代表して黒田がツッコむと達海は解せぬとでも言いたげな視線を向けた。良く言った、有難うクロ、そんな視線が他の選手達から黒田に向けられる。

「え、クロお前見なかったの?オールスターでやってたマスコット達のミニゲーム」
「見てるとか見てねぇとかそういう次元の問題じゃねーよ!明らかに変だろ、おかしいって!あり得ねえって!」
「あんな動きが出来る選手なかなか居ないよ?」

噛み合わない達海と黒田の会話を余所にパッカくんの底なし沼のような瞳が目の前の選手達を見つめている。
駄目だ、目を合わせるな。合わせたら引きずり込まれるぞ。そんな囁きが選手の内の誰かから漏れる。偶々パッカくんと目があってしまった椿の目尻には涙が浮かんでいた。



「ま、そんな訳で皆仲良くするよーに」


「「「出来るか!」」」


その日、ETUの選手達の心は一つになったという。





2010/7/8/thu

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